MxPx/On the Cover
ワシントン州ブレマートン出身のスケートパンクバンド、MxPxのカヴァーEP『On the Cover』は、1995年11月28日にトゥース&ネイルよりリリースされました。マイク・へレラ(ボーカル兼ベース)、トム・アンダーソン(ギター)、ヤル・ルター(ドラム)の三人が、ブライアン・アダムス「サマー・オブ・69」、バディ・ホリー、A-ha「テイク・オン・ミー」、ザ・ブラスターズ、オルター・ボーイズなど多彩なジャンルから7曲を選び抜いたカヴァー集です。
バンドのバックグラウンドにあるキリスト教的価値観を反映しながらも、純粋に音楽への愛と遊び心から生まれた本作は、ディスコグスのヴァイナル版には4曲のオリジナルBサイドも追加収録されており、MxPxの初期ディスコグラフィの中でも特別なファンアイテムとして今なお愛されています。
ジャンルと音楽性
スケートパンク、メロディック・ハードコアを核に据えたMxPxのサウンドが、80年代ポップ、ロックンロール・クラシック、クリスチャン・ロックなど多彩なジャンルのカヴァー曲と融合するという、ジャンルの壁を軽々と越えた一枚です。オリジナルの良さを損なうことなく、MxPxならではのスピードとエネルギーで塗り替えるアプローチは、バンドがいかに幅広い音楽的バックグラウンドを持っているかを示しています。カヴァー盤でありながらも、MxPxのサウンドとして完全に機能しているのが本作の最大の特徴です。

MxPx/On the Cover
おすすめのトラック
- Summer of ’69
ブライアン・アダムスの1985年の大ヒット曲をMxPx流スケートパンクに大変換した、アルバム最大のサプライズ曲です。
オリジナルの切なさと疾走感はそのままに、MxPxのパンク的衝動が加わることで全く異なる生命力を帯びており、誰もが知るメロディがスケートパークで鳴り響く様は最高に爽快です。 - Take On Me
A-haの1985年の不滅のポップ・クラシックをスケートパンクの文脈で解体した一曲です。
シンセポップの名曲をギター主導のスケートパンクに変換するという大胆なアプローチが、MxPxのセンスと技量を同時に証明しており、ディスコグスでも本作を象徴するトラックとして繰り返し言及される重要曲です。 - Drum Machine Joy
クリスチャン・エレクトロポップバンド、ジョイ・エレクトリックの楽曲をカヴァーしたユニークな選曲です。
バンドのクリスチャン・ロックへの敬意と遊び心が凝縮された本曲は、ジョイ・エレクトリックのエレクトロポップをMxPxのパンク的フィルターで解釈するという予想外の組み合わせが新鮮で、このEPの隠れたハイライトとして長年のファンに愛されています。 - Marie, Marie
ザ・ブラスターズの1980年の名曲をMxPxのスケートパンク流に解釈したカヴァーです。
ロカビリーとブルース・ロックの香り漂うオリジナルを、スケートパンクの疾走感で塗り替えたこのトラックは、MxPxが50〜60年代ロックンロールのルーツへの敬意を持ちながらも、完全に自分たちの言語で消化する能力を持つバンドであることを証明しています。バンドのレンジの広さを示す、このEPの隠れた名曲です。
アルバム総評
カヴァーアルバムの評価基準はシンプルです――良い曲の選択か、バンドに合っているか、自分たちのものにしているか。『On the Cover』はこの三つをすべて満たしています。1995年のEP『On the Cover』は80年代以前のクラシックカヴァーの楽しいセレクションを提供し、「Summer of ’69」や「Take On Me」からキース・グリーンの「You Put This Love in My Heart」やジョイ・エレクトリックの「Drum Machine Joy」まで収録されています。MxPxの音楽への純粋な愛と遊び心が全7曲に満ち溢れた本作は、バンドのディスコグラフィの中でも特別な位置を占める、ファンなら必携の一枚です。
🎵Marie, Marie



