Sham 69『Adventures of the Hersham Boys (Bonus Track Edition)』
1970年代後半のイギリスにおいて、パンクロックをより大衆的で一体感のある「民衆の音楽」へと進化させたのがSham 69です。1979年にリリースされた彼らの3作目『Adventures of the Hersham Boys』は、初期の荒々しいOiパンクのスタイルを継承しつつも、より洗練されたソングライティングと多様な音楽性を取り入れた意欲作です。
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ジャンルと音楽性
本作の核となるのは、Oi!パンクの先駆けとなった「ストリート・パンク」です。しかし、それまでの性急なビートだけでなく、グラム・ロックの影響を感じさせる華やかなコーラスや、パブロック風の親しみやすいメロディが導入されています。ジミー・パーシーのカリスマ性溢れるボーカルと、大合唱(シングアロング)必至のサビは、パンクの枠を超えてスタジアム・ロック的なスケール感さえ漂わせています。
おすすめのトラック
- 「Lost On Highway 46」 アルバムを象徴する、パンクの衝動を突きつける一曲です。迷いのないストレートな疾走感と、エッジの効いたギターリフが畳み掛けるパワフルな仕上がりとなっており、バンドの持つ攻撃的なエネルギーが凝縮されています。ライブ感溢れる勢いが、聴き手をストリートの風景へと引き込みます。
- 「Hersham Boys」 アルバムのタイトル曲であり、ドラマチックな構成が特徴です。彼らのアイデンティティである故郷「ハーシャム」をテーマに、ストリートの少年たちの冒険譚を歌い上げており、バンドの表現力の広がりを感じさせます。
- 「Questions and Answers」 非常にポップなメロディラインを持つ一曲です。パンク特有の社会への問いかけを、覚えやすいフックに乗せて届ける手法は、当時のニューウェイヴ・シーンにも呼応するようなキャッチーさを備えています。
- 「If the Kids Are United」 ボーナストラック・エディションでその価値を再確認できる、不滅のパンク・アンセムです。「子供たちが団結すれば、決して負けることはない」というメッセージは、今なお世界中のパンク・キッズの心を震わせる力強さに満ちています。
アルバム総評
『Adventures of the Hersham Boys』は、Sham 69というバンドが単なる暴力的なパンク・グループではなく、類稀なるポップ・センスと深い社会性を持ち合わせていたことを雄弁に物語っています。荒削りなエネルギーを保ちながらも、多くの人々に届く「歌」を確立した本作は、パンクロックが持つポジティブな団結力を象徴する一枚です。



