
冷ややかなシンセと情熱的なソウルヴォイスが交差し、機械仕掛けの都会に温かな心を灯す!ヤズーの『Upstairs at Eric’s』は、80年代シンセポップの幕開けを告げると同時に、時代を超えて響き続ける革新と感情の結晶だ
1982年にリリースされたYazoo(北米ではYazとして知られる)のデビューアルバム『Upstairs at Eric's』は、エレクトロポップの歴史に燦然と輝く重要作だ。Depeche Modeを脱退したヴィンス・クラークと、深みあるソウルフルな歌声を持つアリソン・モイエによるデュオが生み出したこの作品は、シンプルなシンセサウンドに圧倒的な歌唱力を掛け合わせるという、当時としては革新的なアプローチを提示した。機械的なビートと人間味あふれるボーカルのコントラストは、冷たさと温もりが同居する独特の美学を確立し、今なお多くのアーティストに影響を与えている。