
ジャクソン・ブラウンが『Lawyers in Love』で描き出すのは、風刺と哀愁に満ちたサウンドスケープ。社会的メッセージとメロディの美しさが絶妙に絡み合い、聴く者を静かに揺さぶるロック・アルバムの真髄
1983年にリリースされたJackson Browneの7作目のスタジオアルバム『Lawyers in Love』は、彼のキャリアの中でも転機となる一枚です。70年代の内省的でフォーク・ロック的な作風から、より政治的かつ風刺的な視点を取り入れた作品へとシフト。このアルバムでは、アメリカの社会状況や冷戦下の空気を軽妙なユーモアで包みながらも、深いメッセージを込めたリリックと、ポップ・ロック色の強まったサウンドが印象的に響きます。