1988年にリリースされたニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック(NKOTB)のセカンドアルバム『Hangin’ Tough』は、ボーイズグループの歴史を語る上で欠かせない一枚だ。デビューアルバム『New Kids on the Block』(1986年)が期待ほどの成功を収めなかった中で、プロデューサーのモーリス・スターがグループのサウンドをより洗練し、ヒットチャートを席巻する大成功へと導いたのがこのアルバムである。
この作品は、ポップ、R&B、ダンスの要素を融合させたキャッチーな楽曲の数々が特徴的で、当時の若者文化に多大な影響を与えた。タイトル曲「Hangin’ Tough」はまさにその象徴であり、グループのアイドル的な魅力だけでなく、音楽的な進化をも示した重要な楽曲となった。
⬇️アマゾンミュージックで『Hangin’ Tough』をチェック⬇️
ポップとR&Bの黄金比が生み出したボーイズグループのマスターピース
『Hangin’ Tough』は、80年代後半のポップシーンを象徴するアルバムでありながら、現代のポップミュージックにも通じる普遍的な魅力を持っている。ダンサブルなリズム、甘く爽やかなメロディ、そして若さ溢れるヴォーカルが詰まった本作は、ティーンポップの王道を切り開いた一枚だ。
このアルバムの成功の鍵は、プロデューサーのモーリス・スターの手腕にある。彼はNKOTBを「白人版New Edition」としてプロデュースし、ブラックミュージックのエッセンスを取り入れながらも、ポップ市場に受け入れやすいサウンドへと仕上げた。その結果、彼らの楽曲はR&Bのグルーヴ感とポップのキャッチーさを絶妙に兼ね備えることになり、幅広い層のファンを獲得したのだ。
アルバムのおすすめトラック
- 「You Got It (The Right Stuff)」
アルバムの代表曲の一つであり、イントロの特徴的なシンセリフとリズミカルなビートが印象的。キャッチーなメロディとダンスフレンドリーなサウンドが魅力で、現在でも80年代のポップクラシックとして愛されている。 - 「Please Don’t Go Girl」
アルバムのバラード枠として、NKOTBのヴォーカルの実力を示した名曲。ジョーイ・マッキンタイアの切ない歌声が印象的で、感情豊かなメロディが多くのファンの心をつかんだ。 - 「Hangin’ Tough」
アルバムのタイトル曲であり、グループのアンセム的存在。エネルギッシュなドラムとコーラスが特徴で、NKOTBの「タフな」イメージを強調する楽曲となった。ライブでも盛り上がる一曲だ。 - 「I’ll Be Loving You (Forever)」
バラードの中でも特にロマンティックな楽曲で、優雅なメロディと美しいハーモニーが際立つ。彼らのラブソングの中でも屈指の名曲として知られ、80年代後半のポップラブソングを代表する一曲となった。 - 「Cover Girl」
シンセポップとダンスミュージックが融合した軽快なナンバー。キャッチーなサビが耳に残りやすく、ポップアイドルとしてのNKOTBの魅力を存分に発揮した一曲だ。
アルバムの影響と評価
『Hangin’ Tough』は、全米チャート1位を獲得し、5枚のシングルがヒットするなど、ボーイズグループのブームを生み出した記念碑的なアルバムとなった。本作の成功により、NKOTBは世界的なスターとなり、後のBackstreet BoysやNSYNCなどのボーイズグループブームの礎を築いた。
このアルバムのリリース当時、音楽評論家からは「ティーン向けの軽いポップ」として批判されることもあったが、時を経て再評価され、80年代ポップの傑作として確固たる地位を築いている。特に、ダンスとバラードのバランスの良さ、キャッチーなメロディ、そして時代を超えて愛される楽曲のクオリティは、今聴いても色褪せない魅力を持っている。
80年代ポップの金字塔となった名作
『Hangin’ Tough』は、ボーイズグループの歴史における重要なアルバムであり、80年代ポップを語る上で欠かせない一枚だ。エネルギッシュなポップチューンから感動的なバラードまで、多彩な楽曲が詰まったこのアルバムは、今なお多くのファンに愛され続けている。
もし、ボーイバンドの原点を知りたいなら、そして80年代ポップの輝きを感じたいなら、『Hangin’ Tough』は間違いなく聴くべきアルバムだ。