Mad Caddies/Duck and Cover
カリフォルニア州サンタ・バーバラ出身のスカパンクバンド、Mad Caddiesの2ndスタジオアルバム『Duck and Cover』は、1998年8月11日にファット・レック・コーズよりリリースされました。バンド自身のセルフ・プロデュースによる全12曲・35分07秒の本作は、スカパンクシーンで最も過小評価されたアルバムのひとつとして、パンクニュースをはじめ多くのメディアから絶賛を受けています。
ティム・アームストロング&ルイ・アームストロングがビリー・ジョー・アームストロングとサンスプラッシュのショーでジョインするという「ホーンで吹き飛ばされる」勢いの、ボーカルのチャック・ロビンソンとトランペットのキース・バウアーを中心とした12曲のアルバムです。
ジャンルと音楽性
キャッチーで、ちょっとおバカで、本当に本当に音楽的な作品で、ゴールドフィンガーのような研ぎ澄まされた自意識的な作風でも、リール・ビッグ・フィッシュのような大きくてわかりやすい作風でもない独自の立ち位置を確立しています。チャックは素晴らしい歌詞を書き、確かに歌えるシンガーでもあり、キースとチャックの二人が特に際立った存在感を放っています。スカ、パンク、レゲエ、ポップを自在に横断するサウンドが持ち味で、ホーン・セクションが全編を彩るアレンジは、このアルバムの最大の武器です。

Mad Caddies/Duck and Cover
おすすめのトラック
- Road Rash
アルバムの幕開けを飾る、2分01秒の電撃的なオープナーです。
「道路擦り傷」というタイトルが示すスケートカルチャーへの愛と、Mad Caddiesのスカパンクの爆発力が一体となったこのトラックは、このアルバムが何者かを最初の一音で完璧に宣言しています。 - No Hope
わずか1分26秒というアルバム最短のトラックにして、Mad Caddiesの爆発力が最も凝縮された一曲です。
「希望なし」というタイトルの下、短さの中に疾走するパンクのエネルギーとスカのグルーヴが一気に叩きつけられます。1分半に満たない尺でこれほどのインパクトを残せるバンドは稀で、Mad Caddiesのソングライティングの才能を端的に示す隠れた名曲です。 - Macho Nachos
タイトルのユーモアが示す通り、Mad Caddiesの「ちょっとおバカ」な側面が全開になる3分17秒の一曲です。
キャッチーなコーラスとホーンの絡みが中毒性を生み出すこのトラックは、ライブでも観客が一斉にシンガロングする定番曲として知られています。 - Popcorn
アルバムを締めくくる3分53秒のクロージング・トラックです。
ポップコーンというシンプルなタイトルの下、Mad Caddiesのスカ、パンク、レゲエが最も有機的に融合した一曲です。アルバム全体の旅を振り返るような余韻を残しながら、聴き手に「もう一度最初から聴きたい」という衝動を起こさせる見事な締めくくりです。
アルバム総評
Mad Caddiesをまだ聴いたことがないなら、このアルバムを手に取るべきです。Quality Softcoreは楽しいが未完成で、The Holiday Has Been Cancelledも優れているが短すぎ、Rock the Plankはよく書かれているがこの作品の持つ、おバカでスカパンク的な魅力には及ばないとされています。1998年というスカパンクの素晴らしい年に、Mad Caddiesはスカパンク狂騒の最高の産物のひとつを生み出しました。ディスコグスで平均評価4.53という高評価が示す通り、本作は時を経るほどにその輝きを増す名盤です。
🎵No Hope


