Talking Heads/More Songs About Buildings and Food
デビュー作『Talking Heads: 77』での神経質で知的なポストパンク・サウンドで注目を集めたトーキング・ヘッズ。彼らがさらなる飛躍を遂げるべく、名プロデューサーのブライアン・イーノ(Brian Eno)を迎え制作した2ndアルバムが『More Songs About Buildings and Food』です。
タイトル通り「建物や食べ物についての歌」という日常的かつコンセプチュアルな題材を扱いながら、バンドの持ち味であるソリッドなパンク/ニューウェーヴに、濃厚なブラック・ミュージックやファンクのグルーヴを大胆に注入。グループの黄金期を決定づけた歴史的重要作です。
ジャンルと音楽性
本作のジャンルは「ニューウェーヴ/ポストパンク/ダンス・パンク」です。
デヴィッド・バーンの変幻自在で痙攣的なボーカルと知的な歌詞世界はそのままに、ティナ・ウェイマスとクリス・フランツによるリズムセクションが打ち出す強烈なファンク・グルーヴが前面に押し出されています。
そこにブライアン・イーノによる緻密で実験的な音響処理やスタジオワークが組み合わさり、極めてダンサブルでありながらインテリジェンス漂う独自の「ダンス・パンク」サウンドを確立。ポップネスと実験性が見事に調和した先進的な音像を作り上げています。

Talking Heads/More Songs About Buildings and Food
おすすめのトラック
- 「Take Me to the River」ソウルシンガー、アル・グリーン(Al Green)の名曲を独自の解釈でカバーした全米ヒットシングル。歪んだファンキーなベースラインとデヴィッド・バーンの怪しげなボーカルが交錯する、アルバムを象徴する最高にグルーヴィーなナンバーです。
- 「Thank You for Sending Me an Angel」アルバム前半の勢いを象徴する、高速で突き進むアッパーチューン。跳ねるようなドラムビートとソリッドなギターワークに乗せて、デヴィッド・バーンが疾走感あふれるボーカルを聴かせる圧巻のトラックです。
- 「Found a Job」物語性あふれる歌詞と躍動感のあるファンキーなアンサンブルが魅力的な一曲。後半にかけて幾重にも重なるシンセサイザーとギターのフレーズが心地よい高揚感を生み出しています。
- 「Artists Only」変則的なリズム展開とアグレッシブなギターワークが光る、バンドのアート志向が炸裂したナンバー。知的なアプローチとパンク的衝動が絶妙に同居した名トラックです。
アルバム総評
Talking Heads(トーキング・ヘッズ)の『More Songs About Buildings and Food』は、ポストパンクの鋭利なエッジとブラック・ミュージックのダンサブルなグルーヴ、そして実験的な音響が奇跡的なバランスで融合した傑作アルバムです。
ブライアン・イーノとの革新的なコラボレーションによって生まれた先進的なサウンドは、70年代〜80年代のニューウェーヴファンはもちろん、現代のダンス・ロックやインディー・ロックを愛するすべてのリスナーにとって必聴の一作。ポップ・ミュージックの概念を更新した名盤を、ぜひ体験してみてください。
🎵Thank You for Sending Me an Angel


