スポンサーリンク

ザ・スミスの『Hatful of Hollow』は、モリッシーの詩的で皮肉めいたリリックと、ジョニー・マーの繊細で美しいギターが織りなす旋律が、都市の孤独や若者の葛藤、日常に潜むロマンスまでもを鮮やかに描き出す

Rock Rock/Alternative
スポンサーリンク

1984年にリリースされたThe Smithsのコンピレーション・アルバム『Hatful of Hollow』は、単なるB面集や編集盤の枠を超え、バンドの魅力が凝縮された重要な作品として評価されています。BBCのラジオセッション音源を中心に、初期の代表曲やシングルの別バージョンを多数収録。荒削りながらも生々しい演奏と、モリッシーの詩的で皮肉なリリックが刺さる珠玉のアルバムです。スタジオ盤とは異なる親密さがあり、ファンはもちろん、初めてThe Smithsに触れる人にもおすすめできるエントリーポイントとなっています。

⬇️アマゾンミュージックで『Hatful of Hollow』をチェック⬇️

Amazon Musicでザ・スミスのHatful of Hollowを再生する
Amazon.co.jp: Hatful of Hollow : ザ・スミス: デジタルミュージック
スポンサーリンク
スポンサーリンク
  

ジャンルと音楽性

The Smithsはポストパンク〜インディーロックの中でも特異な存在。ジョニー・マーの煌びやかで複雑なギターワークと、モリッシーのメランコリックで演劇的な歌唱が融合し、英国的な憂鬱と鋭い社会観察を同時に表現しています。『Hatful of Hollow』では、その魅力がより“素の形”で現れており、フォーク調のアレンジやリズムのタイトさ、ラフな録音が楽曲にリアリティを与えています。

おすすめのトラック

  • 「This Charming Man」
    The Smithsを代表する1曲でありながら、本作に収録されたBBCセッション版はスタジオ盤よりも若干荒々しく、よりバンドの“生”が感じられる。マーのギターはどこまでも軽快で、モリッシーの皮肉とロマンスが絶妙に絡み合う。
  • 「How Soon Is Now?」
    重厚なトレモロギターが印象的なこの楽曲は、The Smithsの中でも異質でドラマティックな構成。疎外感や無力さといった感情を、神秘的かつ力強く表現しており、本作の中でも異彩を放つ存在。
  • 「Back to the Old House」
    アコースティック主体のアレンジが美しいバラード。モリッシーの声が繊細なギターに寄り添い、過去へのノスタルジアと切なさを静かに紡いでいく。
  • 「Heaven Knows I’m Miserable Now」
    モリッシー節全開の一曲。哀愁を帯びながらも、どこかユーモラスな視点で自虐的な日常を描写。メロディーラインとギターの軽快さが、リリックの陰鬱さを引き立てている。
  • 「Please Please Please Let Me Get What I Want」
    短くも印象的なバラード。祈るようなモリッシーの歌声と、リヴァーブの効いたギターが、静かな絶望と希望を同時に感じさせる名曲。

アルバム総評

『Hatful of Hollow』はコンピレーションでありながら、The Smithsというバンドの核心に最も近づける作品のひとつです。ポリッシュされすぎない演奏や録音が、むしろ彼らの本質——若者の孤独、社会への違和感、そして美しい憂鬱——をより鮮明に伝えてきます。ジョニー・マーのギターが描く繊細な風景と、モリッシーの紡ぐ皮肉とロマンが、聴く者の心に深く染み渡る。リリースから40年近く経った今でも色褪せることのない、“青春の影と光”を閉じ込めた一枚です。

タイトルとURLをコピーしました