The Chordsの『It Was Twenty Years Ago Today』は、モッズ・リバイバルの象徴的存在であった彼らが、原点回帰と成熟を両立させたライブアルバムです。当時のエネルギッシュなスピリットを再び呼び覚ますだけでなく、より洗練されたアレンジと深みを加えています。タイトルからもわかるように、これは単なる過去の栄光へのノスタルジーではなく、今なお進化し続けるモッズサウンドの証明といえる一枚です。
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ジャンルと音楽性
本作は、パンクのアグレッシブさとモッズのメロディックなポップセンスを融合したThe Chordsらしいサウンドをベースに、ソウルやR&Bの要素を随所に散りばめています。ギターのカッティングは鋭く、リズム隊はタイト。ボーカルはかつての若々しさを残しながらも、年輪を重ねた分の説得力を増しています。オールドスクールなモッドビートを軸にしつつ、現代的なプロダクションで音の輪郭をクリアに仕上げており、リスナーを一気に70年代末〜80年代初頭の熱狂と現在を繋ぐタイムトンネルへと引き込みます。
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おすすめのトラック
- 「Maybe Tomorrow」
軽快なリズムとキャッチーなコーラスが印象的。モッズ・アンセム的な疾走感が健在で、聴く者を一気に引き込みます。 - 「The British Way of Life」
The Chordsを代表する楽曲のひとつをリワーク。オリジナルの勢いはそのままに、より厚みのあるギターとシャープなリズムでアップデートされています。モッズカルチャーを象徴するテーマと共に、現代的なリアリティを持たせたアレンジが光ります。 - 「Now It’s Gone」
エモーショナルな歌詞とメロディが際立つこの曲は、バンドの内省的な一面を垣間見せます。しっとりとしたイントロから徐々に盛り上がる構成がドラマティック。 - 「Something’s Missing」
ポップなメロディと切ない歌詞が絶妙に融合したナンバー。ギターリフの絡みとリズムのタイトさが印象的で、ライブでの盛り上がり必至の一曲です。 - 「So Far Away」
アルバムを締めくくるにふさわしい、叙情性あふれるトラック。モッズサウンドをベースにしながらも、どこかオルタナティブな響きがあり、新しいThe Chordsの可能性を感じさせます。
アルバム総評
『It Was Twenty Years Ago Today』は、モッズリバイバルの黄金期を駆け抜けたThe Chordsが、今もなお進化を止めないことを証明した作品です。ノスタルジーだけに頼らず、過去と現在をブリッジするサウンドは、往年のファンにも初めて彼らを聴くリスナーにも強く訴えかけます。モッズスピリットとロックンロールの熱量を再確認できる、まさに“時を超えた名盤”といえるでしょう。