The Divine Comedy

Pop/Soul/Jazz

ザ・ディヴァイン・コメディの『Casanova』は、ニール・ハノンのシニカルな視線と紳士的な声が、官能と孤独、ロマンスと現実の間を軽やかに行き来しながら、ポップの形式美と文学的な世界観を完璧に融合させた、唯一無二のオーケストラル・ポップの金字塔

1996年にリリースされたThe Divine Comedyの『Casanova』は、フロントマンであるニール・ハノンの独特な世界観が全面に押し出されたアルバムだ。文学的ユーモア、風刺、そして恋愛の皮肉を、華麗なストリングスと英国風のメロディで包み込んだその音楽は、ブリットポップ全盛期にあっても異彩を放っていた。タイトル通り“色男”の視点から描かれる楽曲の数々は、単なる洒落たポップを超え、聴く者にウィットと哀愁を突きつける。
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