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ロング・トール・テキサンズが放った 『In Without Knocking』 は、単なるロカビリーの焼き直しではない!50年代の古き良きルーツを、80年代パンクの凶暴なスピードと、スラップベースで武装させ、シーンに文字通り「ノックせずに押し入った」大傑作

Rockabilly/Psychobilly
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1980年代のUKサイコビリーシーンを代表するバンドの一つ、The Long Tall Texansが1987年にリリースした名盤が、この『In Without Knocking』です。彼らは、ホラー要素の強い主流のサイコビリーとは一線を画し、純粋な50年代の「ロカビリー」のルーツと「パンク・ロック」の荒々しいエネルギーを融合させました。ティム・ネヴィルの重厚なスラップ音が唸る攻撃的なサウンドでありながら、どの曲もメロディがキャッチーで疾走感に満ちています。このアルバムは、彼らがシーンに文字通り無断で(In Without Knocking)飛び込んできたかのような、強烈な存在感を放つ、必聴の一枚です。

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Amazon.co.jp: In Without Knocking : Long Tall Texans: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性

彼らの核となるジャンルは「サイコビリー」ですが、その音楽性は極めて独自のものです。彼らはロカビリーの軽快なビートをベースとしつつ、パンク由来のスピード感とアグレッシブな演奏を加えています。特に、コントラバスがリズム隊以上の役割を果たし、パーカッシブでエモーショナルな「もう一つのリード楽器」として機能している点が最大の特徴です。楽曲は全編にわたってアップテンポでノリが良く、ロカビリーの持つ「踊る楽しさ」をパンクの熱量で増幅させた、中毒性の高いサウンドが展開されています。このスタイルが、彼らをシーンの異端児として確立させました。

おすすめのトラック

このアルバムの核となる、バンドの個性が凝縮されたトラックを5曲ご紹介します。

  • 「Poison」 イントロから強烈なグルーヴで引き込まれる、ミドルテンポながら重厚感のあるキラーチューンです。ボーカルのティム・ネヴィルの歌い回しにパンクの気迫が感じられ、コントラバスの深く唸るサウンドが楽曲全体にダークな魅力を与えています。彼らのアグレッシブな一面を象徴する曲です。
  • 「Get Up And Go」 軽快なドラムビートとベースラインが心地よい、タイトル通り立ち上がって動き出したくなるようなアップテンポなナンバーです。ロカビリーの楽しさと、ロックンロールのシンプルながら力強いメロディが融合しており、ライブでの盛り上がりも想像できます。
  • 「Rockin’ Crazy」 「クレイジー」という名にふさわしい、凄まじいスピード感と勢いに満ちた疾走感溢れる楽曲です。高速で叩きつけられるスラップベースと、畳みかけるようなギターリフが緊張感を生み出し、聴く者を一気にサイコビリーの渦中に引きずり込みます。
  • 「Gotta Go」 メロディアスでありながらも、どこか切なさを感じさせるボーカルラインが印象的な一曲です。サビのキャッチーさはポップな要素を持ちつつ、重厚なリズムセクションがしっかりと楽曲をサイコビリーの領域に留めています。彼らの幅広い音楽性を垣間見ることができます。
  • 「Texas Beat」 彼らが最も得意とする、ロカビリーをパンク的に昇華させたスタイルが際立つナンバーです。テキサスという言葉が示すように、カントリーやルーツミュージックの要素を感じさせつつも、最終的には強烈なビートと勢いで聴き手を圧倒します。アルバムの勢いを保つ重要なトラックです。

アルバム総評

『In Without Knocking』は、The Long Tall Texansの初期衝動と高い音楽的才能が詰まった、サイコビリー史における重要作です。彼らのサウンドは、単なるジャンルの派生ではなく、ロカビリーの楽しさとパンクのエネルギーを理想的な形で融合させた、唯一無二のものです。キャッチーでありながらアグレッシブな楽曲群は、聴くたびに新たな発見を与えてくれます。このエネルギーあふれる傑作を、ぜひお手持ちのコレクションに加えてください。

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