blink-182/Dude Ranch
カリフォルニア州サンディエゴ出身のロックバンド、blink-182の2ndスタジオアルバム『Dude Ranch』は、1997年6月17日にカーゴ・ミュージックよりリリースされました。エンシニータスのビッグ・フィッシュ・スタジオで録音され、マーク・トロンビーノがプロデュースを担当しています。ツアー中に大部分が書き上げられた本作は、バンドお得意の奇妙なユーモアと、成熟・恋愛・時間といったテーマが混ざり合った独自の世界観を持っています。ワープド・ツアーへの4ヶ月間の参加を含む精力的なツアー活動と、「Dammit」のラジオでのブレイクスルーによってバンドの知名度を大きく押し上げ、アメリカでプラチナ認定を獲得しました。
ジャンルと音楽性
スケートパンク、メロディック・ハードコア、ポップパンク、パンクロックを横断するサウンドが持ち味で、マーク・トロンビーノのプロデュースのもと、バンドはよりタイトでより規律のあるパフォーマンスへと磨きをかけています。マーク・ホッパスのスティングレイ・ベースが全編を通じてパンチを効かせ、トム・デロングのギターがメロディックな疾走感を生み出し、スコット・レイナーのドラムが三人の音を一つに束ねています。稚気あふれるユーモアと、実は切実な感情が同居するという絶妙なバランスこそが、このアルバムを単なるスケートパンク盤を超えた普遍的な青春の記録にしています。

blink-182/Dude Ranch
おすすめのトラック
- Dammit
バンドをメインストリームへと押し上げた、アルバム最大のシグネチャー・ソングです。
マーク・ホッパスが短時間で書き上げた、架空の別れを題材にした楽曲で、青年期の失恋における挫折と脆さを描いています。「そして今また僕は成長してしまった」というラインが繰り返されるコーラスは、当時の10代すべての心に刺さり、モダン・ロック・チャートでブレイクスルーを果たしました。 - Josie
アルバムを代表するポップパンクの教科書的な一曲です。
理想の彼女への素直な愛情をストレートに歌ったこのトラックは、blink-182のキャッチーなメロディセンスとパンクの疾走感が最もバランスよく融合した一曲です。シンガロングしたくなるコーラスと爽快なギターラインが、何度聴いても色褪せない多幸感を生み出しています。 - Apple Shampoo
崩れゆく恋愛関係をテーマにした、オーストラリア限定シングルとしてリリースされた楽曲です。
ユーモラスなバンドイメージとは裏腹に、感情の機微を繊細に描いたこのトラックは、blink-182の意外な詩的センスを示す一曲です。タイトルの「アップル・シャンプー」というイメージが、失われていく恋の甘酸っぱい記憶と絶妙に重なります。 - Pathetic
アルバム前半を締めくくる、エネルギーとユーモアが爆発する一曲です。
アドレナリン全開のパンクポップで突き進むこのトラックは、スコット・レイナーのドラムワークが最も際立つ一曲で、「情けない」というタイトルに込められた自嘲とカタルシスが絡み合います。blink-182のライブの爆発力をそのままレコードに封じ込めたような生々しさが魅力です。
アルバム総評
本作の持続的な魅力は、このアルバムを完全にカバーしたバージョンが複数存在するという事実によっても裏付けられています。パンクサークル内でのカルト的な支持と、「Dammit」によるメインストリームへの突破口という二つの顔を持つ本作は、blink-182がサンディエゴのスケートパンクシーンから世界的なバンドへと跳躍した決定的な一歩として、ポップパンク史に永遠に刻まれています。稚気とシリアスさが同居するこの一枚は、あの頃の青春を知るすべての人に、今すぐもう一度聴き直してほしい傑作です。
🎵Dammit


