Black Flag/Rise Above
カリフォルニア州ハーモサビーチ出身のハードコアパンクバンド、ブラック・フラッグのデビュースタジオアルバム『Damaged』は、1981年11月にエスエスティー・レコードよりリリースされました。ウェスト・ハリウッドのユニコーン・スタジオで録音された本作は、リリース当初こそ批評家からも大衆からも無視されましたが、その後ハードコアパンク史上最も影響力のある作品のひとつとして広く認められ、数々の「ベスト・アルバム」リストに名を連ねることとなりました。ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大な500枚のアルバム」で340位に選出され、ピッチフォークの「1980年代トップ100アルバム」では25位にランクインしています。また、カート・コバーンが生涯ベスト50枚に選んだことでも知られています。
ジャンルと音楽性
パワーポップ的なフックやメロディを一切排除し、剥き出しの攻撃性、煮えたぎるニヒリスティックな怒り、内臓に直接訴えかけるギター、アドレナリン全開のエネルギーという核心要素だけに還元した、パンクロックの最も純粋で危険な蒸留物です。ロナルド・レーガンの強欲の時代におけるアメリカの表面的な価値観と肥大した過剰さに対する全力の攻撃であり、暴力、無気力、怒り、そして自己風刺という相反する感情が渦巻く、ウェスト・コースト・ハードコア全ジャンルの本質的な試金石となっています。

Black Flag/Rise Above
おすすめのトラック
- Rise Above
アルバムの幕開けを飾る、ハードコアパンク史上最も重要なオープニング・トラックです。
狂乱した四つ打ちのドラムビートから始まり、猛烈に降下するギターラインがクラッシュして主リフへと叩きつけられ、ヘンリー・ロリンズの容赦ない咆哮に続いて「ライズ・アバブ、ウィー・アー・ゴナ・ライズ・アバブ」という集団的な行動への呼びかけが炸裂します。怒声の嵐とアングラーなギター、そして猛烈なリズムが一体となったこのトラックは、生々しい力とメッセージが融合した凶暴なオープナーであり、ハードコアコミュニティの不朽のアンセムとなっています。 - TV Party
カルチャー・クラシックとして名高い、アルバム最大のユーモアを持つ一曲です。テレビとパーティーへの皮肉な讃歌として、ブラック・フラッグの舌を頬に押し付けたようなウィットが全開になっており、「ライズ・アバブ」を聴いて激昂し、「TV Party」を聴いて爆笑するという、このアルバムの振れ幅の大きさを体現しています。 - Thirsty and Miserable
「全員に対するファック・ユー」という態度が最も純粋に結晶した一曲です。渇きと惨めさというタイトルが示す通り、郊外の消耗した生活への嫌悪感が、ハードコアの猛烈なサウンドに乗せて叩きつけられます。レート・ユア・ミュージックをはじめ多くのリスナーがこのアルバムのベストトラックとして挙げる、本作の隠れた核心部です。 - Damaged I / Damaged II
アルバムのタイトルを冠した双子の大曲で、本作の最も野心的な側面が結実した一組です。
グレッグ・ギンがハードコアの「速く・大きく・激しくルール」を大胆に逸脱し、ジャズとスラッジ・メタルの要素を導入したこの二曲は、ブラック・フラッグが単純なハードコアバンドではないことを証明しています。「デプレッション」のイントロや「ルーム12」のコーラスと並んで、ギンの歪んだフィードバックが最も効果的に機能する瞬間がここにあります。
アルバム総評
これはフェイントハートや薄皮の人間のためのレコードではありません。1981年という年に、ブラック・フラッグは疑うことを知らない世界に凶暴で妥協のない純粋な音の暴力の塊を解き放ちました。ピッチフォークが「崩壊寸前の男たちの本質的な獰猛さを体現し、辛辣なユーモアと『曲』というコンセプトを組み合わせた」と評した本作は、34分58秒の中にハードコアパンクのすべてを詰め込んでいます。リリースから40年以上が経過した今もその破壊力は少しも衰えておらず、これを聴いて激昂しない人間はいない、そしてこれを聴いて笑わない人間もいないでしょう。
🎵Thirsty And Miserable


