Wigsville Spliffs/Wigsville Spliffs
「ただ激しいだけのサイコビリーには退屈した。でも、お洒落すぎるネオロカビリーじゃ物足りない!」 そんな欲張りなパンク&ロカビリー・キッズの胸を完璧に撃ち抜くサウンドが、ウィグズヴィル・スプリフスの『Wigsville Spliffs』には溢れています。 バチバチと耳を劈くパーカッシブなウッドベースのスラップ、1950年代のR&Rをパンキッシュにブーストしたファズギター、および一度聴いたら忘れられない哀愁漂う美しい歌メロ。本作は、リリースから数十年が経過した今なお、世界中のサイコビリー・コレクターが血眼になって探し回る、不朽のバイブルとも呼べる傑作アルバムです。
ジャンルと音楽性
本作の音楽ジャンルは、王道の「サイコビリー(Psychobilly)」、哀愁のある「ネオロカビリー(Neo-Rockabilly)」、および「ストリート・パンク」に属します。 最大の特徴は、トリオ編成ならではの削ぎ落とされた生々しいアンサンブルと、他のダーク系バンドとは一線を画す「ポップかつメロディアスなソングライティング能力」です。 ロカビリーの軽快なシャッフル・ビートをベースにしながらも、バックで鳴り響くウッドベースはカチカチ凄まじい速度で弾け飛び、パンク直系のソリッドな焦燥感を演出します。哀愁を帯びたマイナー調のサビでのシンガロング(大合唱)必至の旋律は、インディー・ポップやパワー・ポップを愛するリスナーの耳にも一瞬で馴染む、極めて高いポテンシャルを誇っています。

Wigsville Spliffs/Wigsville Spliffs
おすすめのトラック
- 「Buzz Outta You」狂気的なスピード感で脳天を直撃する、これぞ初期ウィグズヴィル・スプリフスと言える爆走パンキッシュ・サイコビリーです。ウッドベースのカチカチとしたスラップと、ノイジーに歪んだファズギターがどこまでも性急に駆け抜けます。ライブハウスを瞬時に熱狂の坩堝へと叩き落とす、バンドの並外れた初期衝動が詰まった最高のキラーチューンです。
- 「Wigsville Blues」ブルースというタイトルを冠しながらも、実際には彼らならではのバースト寸前の疾走感と、ロカビリー本来のうねるようなグルーヴが融合した超一級品のスラップ・ブギです。タイトなドラムセクションと、トリオ編成だからこそ引き立つスリリングなアンサンブルが、リスナーの身体を強制的に揺さぶります。
- 「Al Capone」スカの伝説的巨人プリンス・バスターの世界的名曲を、狂った超高速ウッドベース・スラップ仕様へと強引に生まれ変わらせた圧巻のインスト・カバーです。重厚かつバチバチとパーカッシブに響くウッドベースの速弾きはスリル満点で、サイコビリーDJたちからも長年フロアの最終兵器として偏愛され続けている大人気トラックです。
- 「Born to Love One Woman」1950年代のロカビリー・ヒーロー、ジョニー・バーネット(The Johnny Burnette Trio)が遺した古典的名曲を、彼らならではの鋭角的なパンク・ビートと激しいスラップでド派手にブーストした名カバーです。原曲への深い敬意を滲ませながらも、最高にワイルドでタフな現代のストリート・ロックへと見事に再生させています。
アルバム総評
ウィグズヴィル・スプリフスの『Wigsville Spliffs』は、1980年代後半のイギリスのアンダーグラウンドが残した、最もキャッチーで、最も獰猛な奇跡の結晶です。 ただ速くて暴力的なサイコビリーとは異なり、彼らの音にはロカビリー本来の持つ「色気」と、ポップ・ミュージックとしての「歌メロの美しさ」が完璧に息づいています。
トリオならではのタイトな爆音、耳に残る哀愁の旋律、そしてスラップベースの快楽は、リリースから何十年経とうとも1ミリも錆びついていません。ストリート・パンク、ロカビリー、ガレージロックを愛するすべての音楽ファンにとって、これは一生モノのコレクションとして手元に置いておくべき、カルトにして究極 of マスターピースです。
🎵Buzz Outta You


