The Brains/Drunk Not Dead
カナダ・モントリオールを拠点に活動するサイコビリーバンド、ザ・ブレインズの3rdスタジオアルバム『Drunk Not Dead』は、2011年にストンプ・レコードよりリリースされました。バンドの創設者でありリーダーのレネ・デ・ラ・ムエルテが「フォー・ビースツ・ライド」「オー・マーダー!」「ドランク・ノット・デッド」といったオリジナル曲でホラーパンクのエネルギーを最大限まで高めた本作は、2023年にクレオパトラ・レコードよりスプラッター・ヴァイナルで復刻されるほどの名盤として今なお愛されています。全13曲を通じて英語・フランス語・スペイン語が飛び交うという唯一無二の多言語サイコビリー体験を提供する、ザ・ブレインズの最高傑作です。
ジャンルと音楽性
モーターヘッドのごとき猛烈さとセクシーなラテンのスワッガーを組み合わせ、ニュー・ウェーブの要素とブーズ・フュールド・パンクロックの大混乱を加えた、抗いがたいブリューを生み出すのがザ・ブレインズのスタイルです。うねるアップライト・ベース、ブルース・インフレクテッドなパンクギター、そしてエルヴィスのように歌おうとするシンガーというサイコビリーの基本形を忠実に守りながらも、他のほとんどのサイコビリーバンドよりもはるかに多彩な表情を持っており、シングアロング系の名曲から全力疾走のレイジャーまでを巧みに使い分けています。

The Brains/Drunk Not Dead
おすすめのトラック
- Four Beasts Ride
アルバムの幕開けを飾る、ドラムのパット・カダヴァーが炸裂する凶暴なオープナーです。
ドラマーのパット・カダヴァーが「ストーンヘンジ」級の猛烈さで幕を開け、シンガー兼ギタリストのレネ・デ・ラ・ムエルテとベーシストのカイン・ザ・デッドが突入してくる瞬間は、このアルバムが何者かを一瞬で伝える最高の入口です。コントラバスが猛烈なスピードでアルバムを推進し、レネのワイルドなボーカルがこのトラックの荒々しい全体的なトーンに完璧に溶け込んでいます。 - Six Rounds
アルバム屈指のキャッチーなシングアロング曲として長年のファンに愛されてきた一曲です。コーラスでのメロディックなボーカルが際立ち、さらに印象的なのはパワフルなギターリフで、スピーカーをガリガリと食い荒らすような迫力があります。サイコビリーの疾走感を保ちながらメロディーとのバランスが最もうまくとれた一曲で、ライブでは観客が一斉に拳を上げます。 - Gato Calavera
フランス系カナダ人が歌うスペイン語の楽曲という大胆な挑戦で、実際に本格的なスペイン語のシャウトとして成立しているというアルバム最大のサプライズです。メキシコで最もワイルドなコンサート会場のひとつへのオマージュとして捧げられた本曲は、ラテンの熱気とサイコビリーの爆発力が混ざり合った、ザ・ブレインズの音楽的な幅の広さを証明する一曲です。 - I’m Your Nightmare
ホラーをテーマにしたサイコビリーバンドの本懐を体現した、クリーピーでエネルギッシュな一曲です。「テイク・ホワット・アイ・ウォント」「シックス・ラウンズ」「ハイ・オン・スピード」と並んで、リスナーがバンドのスピーディなコード・チェンジについて踏み鳴らさずにはいられない一曲として評されており、タイトル通り「悪夢」そのものの迫力でラストに向けてアルバムを締めくくります。
アルバム総評
一言でまとめるならば「業界で最もハードワーキングなバンドのひとつによる、胸が止まるほどのアルバム」です。「ドランク・ノット・デッド」はサイコビリーシーンの中でも特に純粋主義的な一枚で、ブライアン・セッツァーとストレイ・キャッツが打ち立てた礎の上に、さらなる熱とアージェンシーを叩き込んでいます。英語・フランス語・スペイン語が飛び交う多言語サイコビリーという唯一無二のスタイルは、モントリオールという多文化都市から生まれたバンドにしか成し得ない偉業です。ハロウィンにも、深夜の酒場にも、どんな場面でも最高に機能するサイコビリー必聴盤として、今すぐプレイヤーに乗せてください。
🎵Four Beasts Ride


