1980年代後半から活動を続けるUKサイコビリー界の異端児、Frantic Flintstones(フランティック・フリントストーンズ)。彼らのアルバム『Champagne 4 All』は、ロカビリーの火花とパンクの爆発力を織り交ぜた、豪快でいてどこかユーモラスな一枚。全体を通して、酒場の喧騒や人生の皮肉がテーマになっており、聴き手を強引に“騒ぎ”の中心へと引き込む。
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Amazon.co.jp: Champagne 4 All : Frantic Flintstones: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
Frantic Flintstonesは、サイコビリーというジャンルの中でも特に自由奔放で、時にスラップベースが唸りを上げるトラディショナルなロカビリー寄り、時にオイパンクやスカのようなテイストも取り込むクロスオーバーな姿勢が魅力。このアルバム『Champagne 4 All』では、泥酔したような楽しさと混沌の中に、確かなグルーヴとバンドとしての成熟が垣間見える。タイトなドラミングと跳ねるベース、そしてビール片手に吠えるようなヴォーカルは健在だ。
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おすすめのトラック
- 「Champagne 4 All」
アルバムタイトル曲にして、まさにこの作品のテーマソング。乾杯の掛け声と共に幕を開けるこの曲は、ベースの弾けるリズムと、まくし立てるようなボーカルが印象的。パブの喧騒、友情、破天荒な日々のすべてを賛美する乾杯の歌。 - 「Retarded」
バンド特有の悪ノリ感と疾走感が炸裂する、痛快なサイコビリー・チューン。歪んだギターと跳ねるスラップベース、ぶっ飛んだボーカルが一体となって、混沌と暴走の美学を描き出す。短くも強烈、笑って踊れる一発です。 - 「Baby Bent Double」
キャッチーなメロディと荒々しいエネルギーが融合した、まさにサイコビリーのお手本のような一曲。ユーモアの効いた歌詞とゴキゲンなスラップベースがクセになる、ライブでも盛り上がり必至の名ナンバーです。 - 「Chuck! -A- Luck!」
ハイテンションなリズムとシャウトが駆け抜ける、痛快なサイコビリー・ロックンロール。ギャンブルをテーマにした歌詞がユニークで、バンドの遊び心とスピード感が詰まったアッパーな1曲です。
アルバム総評
『Champagne 4 All』は、Frantic Flintstonesが長年培ってきた“酔いどれサイコビリー”の真髄を詰め込んだ作品だ。ハードでユーモラス、それでいて確かな演奏力と構成で聴きごたえがある。バンドのキャリアを知る者にとっては成熟と円熟を感じさせるし、初めて彼らに触れる人にも「これはただの酒飲みバンドじゃない」と伝わるはずだ。