GO-GO 3/Everybody Prefers
1980年代後半、東京のインディーズ・シーンにおいて、1960年代のグループ・サウンズ(GS)やモータウン・サウンドをパンキッシュ&キュートにアップデートし、空前の熱狂を巻き起こした「ネオGS」ムーブメント。その中でも、際立ってワイルドでスタイリッシュな魅力を放っていたガールズ・ガレージ・ポップグループがGO-GO 3(ゴーゴー・スリー)です。 彼女たちが1988年に名門「Vivid Sound」から発表したミニアルバム『Everybody Prefers』は、まさにネオGSシーンの瑞々しい衝動と、ダンスフロアを熱狂させる極上のビートが完璧に真空パックされた奇跡の一枚。ロック系クラブイベント「LONDON NITE(ロンナイ)」をはじめ、モッズ、ロカビリー、ガレージ系のDJたちに今なおフロアの最終兵器として愛され続ける、日本のインディーズ史に燦然と輝くカルト・マスターピースです。
ジャンルと音楽性
本作の音楽ジャンルは、「ネオGS」「ガレージ・ロックンロール」「60sガールグループ・ポップ」「モッズ(Mods)」に分類されます。 最大の特徴は、ニュー・シャングリラスとも評された胸キュンでドリーミーな「日本語オリジナル曲(シュガーサイド)」と、海外のガレージやロックンロールのド定番を圧倒的なセンスで血肉化した「爆走カバー曲(スパニッシュ/スパイスサイド)」の2つの表情を併せ持っている点です。 バッキングをザ・ストライクスや、オリジナル・グレイト・スリー、マディ・ランプスといった当時のシーンの超実力派の面々がガッチリと支えており、チープでパンキッシュなガレージ感の中に、確かな演奏力と強靭なビートが宿っています。

GO-GO 3/Everybody Prefers
おすすめのトラック
- 「Peter Gunn Locomotion」モッズやガレージ・パンク系クラブで永遠に愛され続ける、問答無用の爆裂クラブアンセムです。ヘヴィな「ピーター・ガンのテーマ」の怪しげなギターリフと、軽快な「ロコモーション」のポップなメロディラインを驚異のセンスでマッシュアップ。荒々しくも最高にキャッチーに爆走するアンサンブルとキュートなヴォーカルは、フロアを一瞬で狂喜乱舞のダンス天国へと変貌させる破壊力を持っています。
- 「The Wild One」スージー・クアトロの名曲カバーであり、アルバムの幕開けを華々しく飾るワイルドなガレージ・ロック・ナンバーです。原曲の持つレザー・ジャケット風のロック・スピリットをそのままに、ガールズ・ガレージならではの愛嬌とパンキッシュな疾走感をプラス。ソリッドなギターのカッティングとハスキーなシャウトが最高にクールです。
- 「Baby, Good Night」GO-GO 3のソングライティング能力の高さが窺える、至極の日本語ポップ・ロックンロールです。どこかノスタルジックで甘酸っぱい哀愁を帯びたマイナー調の旋律と、胸をキュンと締め付けるロマンチックな歌詞が特徴。スクーターズのファンやモータウン、GS好きにはたまらない胸キュン度120%の名曲です。
- 「Koi No Discotheque」当時のネオGS特有のオシャレでキャバレー風な遊び心を感じさせる、ポップでダンサブルなナンバーです。60sガールグループ的なコーラス・ワークと、80sインディーズ・ポップスの自由な空気感が見事に合致しており、聴いているだけで自然と体が揺れてしまうようなハッピーなバイブスに溢れています。
アルバム総評
『Everybody Prefers』は、日本のインディーズ・シーンが最もキラキラと輝き、同時に最高のパンク・アティテュード(姿勢)を内包していた1980年代の奇跡を完璧に体現した名盤です。
パンクやモッズ、ガレージロックの鋭い牙を持ちながら、女の子らしいキュートな魅力と、徹底した「ポップさ」が奇跡的なバランスで同居しています。 本作は1993年や2008年に紙ジャケット仕様CDとしてリイシューされましたが、当時のオリジナル・パープル・ヴァイナル(アナログ12インチ盤)を含め、現在では大変貴重なコレクターズアイテムとなっています。ガレージ・パンク愛好家はもちろん、歌謡曲やJ-POPの原点にある「良質な60sポップス」のルーツを掘り下げたいリスナーにとっても、一生モノのコレクションとして手元に置いておくべき究極のマスターピースです。
🎵Peter Gunn Locomotion


