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闇夜を切り裂くウッドベースと爆走スラップ!ザ・ラディアクスが1989年に放ったサイケデリック・サイコビリーの暴動アンセム盤『Hellraiser』

Rockabilly/Psychobilly
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The Radiacs/Hellraiser

パンク・ロックの暴力性とロカビリーのスウィング感が最悪な形で握手を交わした、真夜中のダンスフロアの興奮。それを完全にパッケージングしたのが、ザ・ラディアクスの『Hellraiser』です。 彼らが放つサウンドは、一度聴けば理性を失って激しく踊りだしたくなる(レッキングしたくなる)ような、強烈なグルーヴに満ち溢れています。アルバム全体を支配するダークで淫美なB級ホラー映画のような世界観、およびVo.ポール・ジェニングスのハスキーで凄みのある歌声が合わさることで、聴き手を奈落の底へと引きずり込むような圧倒的なエネルギーを放っています。リリースから30年以上が経過した今なお、サイコビリー初心者から骨骨(コツコツ)のハードコア・コレクターまでを狂わせ続ける、不朽のバイブルです。

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ジャンルと音楽性

本作の音楽ジャンルは、王道の「サイコビリー(Psychobilly)」「ネオロカビリー(Neo-Rockabilly)」、および「ガレージ・パンク」に属します。 最大の特徴は、ウッドベースの弦を指板に激しく叩きつけるスラップ奏法(バチバチとパーカッシブに響く低音)を主軸とした、重厚で強靭なリズムセクションです。 1950年代の素朴なロカビリー・スタイルを踏襲しながらも、ギターは完全に80年代パンク〜ポスト・パンクの洗練された凶暴な歪みをまとっており、クラシックなロックンロールの快感を極限まで加速させています。ただ速いだけでなく、思わずシンガロングしたくなるようなダーク&キャッチーなメロディラインと、卓越したアレンジセンスが随所で火花を散らしています。

The Radiacs/Hellraiser

おすすめのトラック

  • 「Hellraiser」アルバムのタイトル曲であり、グラムロックの名バンド、ザ・スウィート(The Sweet)の不朽の名曲を怒涛の高速スラップ・サイコビリーへと再構築した奇跡のカバーです。地鳴りのように響くウッドベースのイントロから始まり、凶悪なディストーションギターが唸りを上げた瞬間、アドレナリンが一気に沸点に達します。原曲のきらびやかさをダークでタフなストリート仕様に塗り替えた、本作最強のキラーチューンです。
  • 「Women And Wine」バチバチと鳴り響く強烈なスラップベースと、タイトル通り「女とワイン」をテーマにした退廃的でキャッチーなサビが癖になる、ロカビリー・パンクの王道を行く一曲です。ポールの色気と毒気を含んだボーカルと、シャープなギターワークがガッチリと噛み合い、聴き手の身体を強制的に揺さぶります。
  • 「Al’ Capone Part 1」スカの伝説プリンス・バスター(Prince Buster)の名曲をベースに、サイコビリー仕様の凶暴なインスト・アンセム(掛け声入り)へと仕立て上げた大人気トラックです。ウッドベースの超高速スラップと怪しげにうねるインストルメンタルが、フロアをレッキングの嵐へと巻き込みます。
  • 「Heart Attack」心臓麻痺(Heart Attack)を起こしそうなほどの超高速2ビートと、狂気的なスラップの応酬で駆け抜ける爆走サイコビリー・ナンバーです。短くも激しい演奏時間の中に、ザ・ラディアクスが持つパンキッシュな初期衝動がすべて詰め込まれており、ライブハウスの温度を一気に沸点まで引き上げるキラーチューンです。

アルバム総評

『Hellraiser』は、1980年代後半のイギリスの地下室(クラブシーン)が持っていた、最もワイルドで、最もグラマラスな狂熱を完璧に真空パックした歴史的傑作です。 収録されているどの曲をとっても、チープな打ち込みや過剰な装飾に頼ることなく、ウッドベース, ギター、ドラム、ボーカルという最小限の「生身のアンサンブル」だけで、ここまで破壊的でキャッチーなグルーヴを紡ぎ出している事実に驚かされます。

数多くのサイコビリー・バンドが存在する中で、ザ・ラディアクスが今なお別格の扱いを受けるのは、ロックンロールに対するピュアな愛情と、パンクの持つ本物の反逆精神が、この1枚に一切の妥協なく同居しているからです。ストリート・パンク、ロカビリー、ガレージロックを愛するすべてのジャンキーにとって、これは一生モノのコレクションとして手元に置いておくべき究極のマスターピースです。

🎵Heart Attack

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