フランス発のサイコビリー・バンド、Hellbatsが放った『Dark’n’Mighty』は、そのタイトル通り“暗黒にして強靭”なサウンドを全編に刻み込んだ作品だ。サイコビリーらしい荒々しいベースのスラップやスピード感に加え、メタルやハードロックの要素を大胆に取り入れることで、より厚みのある音像を作り上げている。地下シーンで培われた不敵なアティチュードを武器に、夜の混沌を音楽で表現するアルバムだ。
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Amazon.co.jp: Dark'n'Mighty : Hellbats: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
『Dark’n’Mighty』はサイコビリーを基盤としながらも、パンクの直線的な衝動とヘヴィメタルの重厚さを融合させたハイブリッドな音楽性が特徴だ。トラディショナルなロカビリーにルーツを持ちながらも、Hellbatsはそこにダークなムードと暴力的なギターリフを重ね、攻撃性と不気味さを倍加させている。ボーカルはシャウトを交えた荒々しいスタイルで、楽曲に一層の緊張感を与えている。
おすすめのトラック
- 「Dark’n’Mighty」
アルバムのタイトル曲であり、バンドの存在感を象徴するナンバー。重低音のスラップベースとヘヴィなギターが絡み合い、まさにダークかつマイティな雰囲気を体現している。 - 「Queen Orchid」
Hellbatsらしい疾走感とワイルドなエネルギーが詰まっています。サイコビリーの核となる激しいスラップベースとギターリフが絡み合い、一気に聴き手を彼らの世界に引き込みます。ヴォーカルのパワフルさも際立っており、ライブで盛り上がること間違いなしのキラーチューン。 - 「Heavy Rockers」
単なるサイコビリーに留まらない、幅広いロックへのリスペクトを感じさせるトラック。分厚いギターサウンドと、リズム隊のタイトながらも暴れるような演奏が特徴的で、アグレッシブな一面が強調されている。 - 「Asylum Park」
速いテンポと、時に狂気じみた、そしてキャッチーなメロディが特徴的。ベースラインが特に際立っており、高速でトリッキーなフレーズが、まさに「アサイラム(精神病院)」のような不安定でエキサイティングな雰囲気を醸し出している。
アルバム総評
Hellbatsの『Dark’n’Mighty』は、サイコビリーというジャンルの持つダークで暴力的な魅力をさらに増幅させた作品だ。ロカビリーの軽快さとパンクのスピード感、メタルの重厚さを融合することで、従来のサイコビリーとは一線を画す迫力を獲得している。ホラーやアウトロー的な美学を濃厚にまといながらも、楽曲構成やリフには確かなセンスが光り、聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。ジャンルのファンはもちろん、よりラウドでダークなロックを求めるリスナーにも強くおすすめできる一枚だ。