bar italia/Some Like It Hot
ロンドンを拠点に活動するアートポップ・トリオ、バー・イタリアの5thアルバム『Some Like It Hot』が、2025年10月17日にマタドール・レコードよりリリースされました。ニーナ・クリスタンテ、ジェズミ・タリク・フェフミ、サム・フェントンの三人からなる本バンドは、5年間で5枚のアルバムをリリースするという驚異的なペースで創作を続けてきました。1959年の映画「お熱いのがお好き」からタイトルを借りた本作は、ロマンス、陰謀、自己発見、そして恍惚が脈打つ、ラストフルなロッカー、呪文のようなフォークポップ、パンチドランクなバラードで彩られた充実の12曲です。
ジャンルと音楽性
ポストパンク、ブリットポップ、シューゲイザー、サイケデリアを自在に混ぜ合わせながら、スロウダイヴやザ・キュアー、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、スペースメン3、ソニック・ユースへの明確な敬意を示すサウンドが持ち味です。三人がデッドパンなボーイ&ガール・ボーカルを交互に繰り出す独特のスタイルは、以前のロウファイなミニマリズムから脱却し、よりシネマティックな野心と鮮明なプロダクションへと大きく進化しています。

bar italia/Some Like It Hot
おすすめのトラック
- Cowbella
アルバムの中でも特にエネルギーと攻撃的な遊び心が際立つ一曲です。
パームミュートを効かせたパンクサウンドが全開になるこのトラックは、バー・イタリアの持つガレージロック的な衝動が最もストレートに発揮された一曲です。遊び心のある攻撃性とキャッチーなリフが同居し、アルバムの中でも「rooster」と並んで最もライブ映えする疾走感を誇り、バンドのスワッガーとユーモアが一体となって爆発しています。 - rooster
ニーナ・クリスタンテのふだんは穏やかなボーカルが、激怒した咆哮へと変貌する衝撃のガレージパンク・トラックです。「言えばジャンプする」という歌詞が示す通り、支配と服従というテーマをサイケデリックな夢幻へと反転させる構成は、バンドの最も大胆な跳躍のひとつです。 - I Make My Own Dust
サム・フェントンが「スライス・オブ・ライフ、彼らが正気を失うまで幸せじゃない」と叫ぶこのトラックは、コーガン的なギターの轟音と唸るシンセが絡み合う、アルバムで最も燃え盛る一曲です。ニーナ・クリスタンテの終盤の咆哮が切り込んでくる瞬間は、まさに神がかり的と言えます。 - Some Like It Hot
アルバムのタイトルトラックにして、映画的なクロージング・ナンバーです。
弦楽のつまびきとフィードバック、そして「あの夜、あなたのことが頭から離れなかったことだけが悔やまれる」という詩的なラインで締めくくられるシネマティックなフィナーレは、このアルバムの野心のすべてを体現しています。
アルバム総評
160回以上の世界ツアーを経て、エキシビショニストかつ筋肉質なファイブピースへと成長したバー・イタリアは、真剣で誠実なテーマと演出への喜びを結婚させることに成功しています。2026年3月にはロンドンのラウンドハウスでの最大規模のホームタウン公演も控えており、カルト的な存在からビッグタイムへと本格的に跳躍する転換点として、この一枚は長く語り継がれることでしょう。
🎵Cowbella


