2004年にリリースされ、全世界で数千万枚のセールスを記録したU2の傑作『How To Dismantle An Atomic Bomb(ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム)』。ボノの父親の死というパーソナルな喪失感と、社会への力強いメッセージが混ざり合った本作は、U2が再び「世界最高のロックバンド」としての地位を揺るぎないものにした作品です。
2024年にリリースされた『20周年記念リ・アッセンブル・エディション』は、最新リマスタリングに加え、当時のスタジオ・セッションで録音されながらも一度も陽の目を見ることがなかった10曲の未発表音源を収録。単なる「おまけ」ではない、アルバムのDNAを補完する重要なピースが揃ったコンプリート盤となっています。
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ジャンルと音楽性
音楽的には、90年代の実験的なエレクトロニカ路線から完全に脱却し、U2の原点である「ギター・ロック」を現代的に昇華させたオルタナティブ・ロックです。 スティーヴ・リリーホワイト、ダニエル・ラノワ、ブライアン・イーノといった伝説的プロデューサーたちが集結し、ジ・エッジの煌びやかでエッジの効いたギターサウンド、アダムとラリーが生み出す鉄壁のボトムライン、そしてボノの激情的なボーカルが見事な調和を見せています。リマスタリングにより、現代の再生環境でも遜色のない、よりダイナミックで分離感の良い音響体験が可能になりました。
おすすめのトラック
- 「Vertigo」 一瞬でアドレナリンを沸騰させる、2000年代を代表するロック・アンセム。シンプルかつ強力なリフは、U2が持つ普遍的なエネルギーの象徴です。
- 「Sometimes You Can’t Make It on Your Own」 ボノが父の葬儀で歌ったバラード。個人的な悲しみが、聴く者すべてに共通する普遍的な感動へと変わる瞬間がここにあります。
- 「Happiness」 今回発掘された未発表曲の中で最も衝撃的な一曲。グルーヴィーなベースラインと、当時のバンドの絶好調ぶりが伺える瑞々しいサウンドが特徴です。
- 「City of Blinding Lights」 煌めくような音像が視覚的に広がる名曲。ライブでの高揚感は格別で、U2がスタジアム・ロックの王者であることを再認識させてくれます。
- 「Luckiest Man in the World」 制作過程で紆余曲折あったとされる未発表曲。完成度の高さに驚かされるとともに、アルバム制作の苦悩と歓喜を追体験できる貴重なテイクです。
アルバム総評
『How To Dismantle An Atomic Bomb (Re-Assemble Edition)』は、20年という歳月を忘れさせるほど新鮮で、それでいて深い感慨を呼び起こす作品です。オリジナル盤が持っていた爆発的な「力」はそのままに、未発表曲という「光」を当てることで、このアルバムがいかに豊かな土壌から生まれたのかを証明しています。
かつてこのアルバムと共に青春を過ごした人々には「熱い再会」を、そしてまだU2を深く知らない若い世代には「本物のロックの衝撃」を与えることでしょう。爆弾を解体(Dismantle)し、再び組み立て(Re-Assemble)たその先にある、U2の現在進行形の伝説をぜひ体感してください。



