The Stone Roses『Second Coming』
1989年に鮮烈なデビューを果たし、イギリスの音楽シーンを塗り替えたザ・ストーン・ローゼズ。しかし、そこから5年という長い沈黙と法廷闘争を経て1994年に発表されたのが、本作『Second Coming』です。前作のキラキラとしたポップなメロディを期待したファンを驚かせたのは、あまりにも重厚で泥臭く、それでいて圧倒的な演奏力に裏打ちされた「大人のロック」でした。当時のブリットポップの波とは一線を画す、時代に媚びない孤高のサウンドが凝縮されています。
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ジャンルと音楽性
本作のジャンルは、サイケデリック・ロック、ブルース・ロック、そしてファンキーなグルーヴが融合した「ヘヴィ・グルーヴ・ロック」と言えます。特にギタリスト、ジョン・スクワイアの影響が色濃く反映されており、レッド・ツェッペリンを彷彿とさせる豪快なリフや、ワウ・ペダルを駆使した長尺のギターソロが特徴です。そこにレニとマニによる鉄壁のリズム隊が生み出すダンサブルなビートが加わり、サイケデリックでありながらも身体を揺らす独特の音楽性を確立しています。
おすすめのトラック
- 「Breaking into Heaven」 4分以上に及ぶジャングルの環境音と不穏なイントロを経て、重厚なグルーヴが炸裂する記念碑的なオープニング曲です。ローゼズが単なるポップバンドではないことを、その圧倒的なスケール感で証明しています。
- 「Love Spreads」 アルバムからの先行シングルであり、ジョン・スクワイアのスライドギターが強烈な印象を残すナンバーです。ブルース・ロックの伝統を現代(当時)にアップデートした、最高にクールなリフが堪能できます。
- 「Ten Storey Love Song」 重厚な曲が多い本作において、1stアルバム時代の輝きをどこか感じさせるメロディアスな楽曲です。イアン・ブラウンの儚げなボーカルと美しいアルペジオが絡み合い、普遍的なポップ・ミュージックとしての品格を漂わせています。
- 「Begging You」 後のケミカル・ブラザーズなどのデジロック勢にも影響を与えたと言われる、実験的な一曲です。強烈なドラムビートとサンプリングを多用したようなカオスな質感が、バンドの先見性を示しています。
アルバム総評
『Second Coming』は、期待と落胆、そして再評価の歴史を歩んできたアルバムです。発売当時は1stの幻影を追うファンから賛否両論を巻き起こしましたが、現在ではその極めて高い演奏技術と、ロックンロールの真髄を追求したストイックな姿勢が正当に評価されています。イアン・ブラウンのカリスマ性と、ジョン・スクワイアのギターヒーローとしての覚醒。その双方が火花を散らすこの作品は、今なお色褪せない輝きを放ち、聴くたびに新たな発見を与えてくれる傑作です。



