パンクのゴッドファーザー、Iggy Popが1977年にリリースしたソロ2作目『Lust For Life』は、混沌とエネルギー、そして意外なポップさを融合させた名盤です。前作『The Idiot』と同様、盟友David Bowieとの共同作業によって生まれたこのアルバムは、ただのパンクロックにとどまらず、ジャンルの境界を軽やかに飛び越える野心作。生々しいヴォーカルとシンプルながら骨太なサウンドは、40年以上経った今も色褪せることなく、聴く者に強烈なインパクトを与えます。
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Amazon.co.jp: Lust For Life : イギー・ポップ: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
『Lust For Life』は、パンクロックの精神を根底に持ちながらも、ガレージロック、ブルース、R&B、グラムロックなどを取り込み、Iggy PopのボーカルとBowieのプロデュースが絶妙に溶け合ったハイブリッドな音楽性が魅力。疾走感あるドラム、ストレートなギターリフ、そしてIggyの飾らないが内なる叫びに満ちた歌声は、ロックの本質をえぐるような迫力に満ちています。
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おすすめのトラック
- 「Lust For Life」
アルバム冒頭を飾るタイトル曲。あの跳ねるようなドラム・イントロ(後に映画『トレインスポッティング』で再注目)は、ロック史に残る象徴的な瞬間。Iggyのエネルギッシュなボーカルとリズミカルな展開がクセになります。 - 「The Passenger」
静かに始まるが、徐々にリズムが積み重なっていく名曲。ロードトリップにぴったりの雰囲気で、Iggyの低く語りかけるような歌声が印象的。詞は孤独と自由の間を行き来するような哲学的な内容。 - 「Tonight」
デヴィッド・ボウイがのちに自身のアルバムでもカバーした名曲。原曲ではIggyが持つワイルドな面よりも、繊細な感情が表現されている。美しいコーラスとギターアレンジが光るバラード調の一曲。 - 「Sixteen」
短くてパンチのあるロックナンバー。シンプルなリフとIggyのシャウトが炸裂し、パンクの衝動をストレートに伝えてきます。 - 「Some Weird Sin」
ミドルテンポながら不穏なエネルギーを帯びた一曲。ボウイらしいコード進行とIggyの反抗的なリリックが絶妙にマッチ。陰影ある名曲です。
アルバム総評
『Lust For Life』は、単なるロックアルバムにとどまらず、Iggy Popというアーティストの“復活”を高らかに宣言する作品です。ボウイとのタッグにより、粗削りなだけではないメロディアスな構成やアレンジが加わり、Iggyのカリスマ性を最大限に引き出しています。パンク以降のロック史において、本作はエネルギーと美しさが同居する数少ない傑作。初めてIggy Popに触れる人にも、彼の進化と魅力を存分に味わえる一枚です。