
ダークでヘヴィな音像の中にも、キャッチーなフックと不屈のパンク・スピリットを刻み込む!ラモーンズの『Brain Drain』は、ディー・ディー最後の参加作にして、変化の時代を駆け抜けたバンドの意志と進化を鮮烈に記録したターニングポイント的アルバムだ
1989年にリリースされたRamonesの11作目のアルバム『Brain Drain』は、彼らのキャリアにおいて重要な転換点となった作品である。結成から十数年を経てもなお、ストレートなパンクの衝動を鳴らし続けてきた彼らだが、本作ではその勢いに加えてダークでヘヴィな質感を強め、時代の空気を反映した新たなアプローチを見せている。また、ディー・ディー・ラモーンが参加した最後のスタジオアルバムでもあり、彼のソングライティングとプレイが強く刻まれている点でも特別な意味を持つ。80年代の終盤、パンクの王者としての意地と変化の狭間で模索するRamonesの姿が、この一枚に収められている。