
Blurが90年代の音楽シーンを大胆に塗り替えた、挑戦と革新に満ちたセルフタイトル・アルバム『Blur』。ブリットポップのアイコンからオルタナティブロックの先駆者へ
1997年にリリースされたブラーのセルフタイトル・アルバム『Blur』は、それまでのブリットポップの枠を超え、オルタナティブ・ロックへと踏み出した重要な作品だ。前作『The Great Escape』(1995年)までの洗練されたメロディと皮肉の効いた歌詞とは異なり、このアルバムではより荒削りで実験的なサウンドが展開される。ブリットポップ・ムーブメントが終焉へ向かう中で、Blurが自らの音楽性を大胆に変化させた、まさにターニングポイントとなる作品と言える。