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Blurが90年代の音楽シーンを大胆に塗り替えた、挑戦と革新に満ちたセルフタイトル・アルバム『Blur』。ブリットポップのアイコンからオルタナティブロックの先駆者へ

alternative Rock/Alternative

1997年にリリースされたブラーのセルフタイトル・アルバム『Blur』は、それまでのブリットポップの枠を超え、オルタナティブ・ロックへと踏み出した重要な作品だ。前作『The Great Escape』(1995年)までの洗練されたメロディと皮肉の効いた歌詞とは異なり、このアルバムではより荒削りで実験的なサウンドが展開される。ブリットポップ・ムーブメントが終焉へ向かう中で、Blurが自らの音楽性を大胆に変化させた、まさにターニングポイントとなる作品と言える。

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Amazon.co.jp: Blur : ブラー: デジタルミュージック
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ブリットポップからの脱却――オルタナティブな新境地

Blurは、90年代前半にOasisとのブリットポップ対決で一世を風靡したが、本作ではその路線から脱却し、より内省的で実験的なアプローチを取っている。グランジやローファイ、アートロックの影響を受けた楽曲が並び、アメリカのインディーロックシーンからの影響も色濃く感じられる。

アルバムのプロデュースを手掛けたのは、スティーヴン・ストリート。彼はこれまでのBlurの作品にも携わってきたが、本作ではより生々しいサウンドを追求。ギターのノイジーな質感や、デーモン・アルバーンの荒々しいボーカルが際立ち、これまでのBlurとは一線を画す新たなスタイルを確立している。

おすすめの楽曲

  • 「Beetlebum」
    アルバムのオープニングを飾るこの曲は、レイドバックした雰囲気とメランコリックなメロディが印象的。デーモン・アルバーンのパーソナルな歌詞と、グランジの影響を受けたギターが融合し、Blurの新たな方向性を象徴する一曲。
  • 「Song 2」
    たった2分の中に爆発的なエネルギーが詰まった、Blur史上最も有名な曲。シンプルな構成ながら、荒々しいギターリフと「Woo-hoo!」のシャウトが圧倒的なインパクトを与える。意図的にアメリカのオルタナティブロックをパロディ化したとも言われるが、結果的に世界的なヒットとなった。
  • 「M.O.R.」
    デヴィッド・ボウイとブライアン・イーノの影響を強く感じるトラック。疾走感のあるリズムとキャッチーなメロディが特徴的で、Blurのオルタナティブ路線を象徴する楽曲のひとつ。
  • 「On Your Own」
    サイケデリックなシンセサウンドとポップなメロディが融合したユニークな楽曲。シンプルながら耳に残るフックがあり、アルバムの中でも際立つ存在。

アルバムの全体的な印象

『Blur』は、バンドがブリットポップのアイコンという立場から抜け出し、より自由な音楽性を模索した結果生まれた作品だ。これまでのキャッチーで洗練されたサウンドから、ノイジーでローファイな方向へとシフトしたことで、バンドの新たな可能性が開かれた。特にグレアム・コクソンのギターは、これまで以上にエッジが効き、楽曲にダークな雰囲気を与えている。

このアルバムがリリースされた当時、ファンの間では賛否が分かれたものの、今ではBlurのディスコグラフィーの中でも重要な作品と位置付けられている。また、本作を機にバンドはアメリカ市場でも成功を収めることとなり、次作『13』(1999年)でさらに実験的なアプローチを深めていくことになる。

結論

『Blur』は、90年代のオルタナティブ・ロックを語る上で欠かせない作品であり、バンドの進化を象徴するアルバムでもある。ブリットポップの枠を超え、新たな音楽性を模索したBlurの挑戦が詰まったこの作品は、今なお多くのリスナーに影響を与え続けている。

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