New Order『Brotherhood』
1986年に発表されたニュー・オーダーの4枚目のスタジオ・アルバム『Brotherhood』。本作は、ジョイ・ディヴィジョンの影を振り払い、独自のダンス・ロック・スタイルを確立しつつあった彼らが、自らの「静」と「動」を大胆に二分して提示した意欲作です。アナログなバンドサウンドとデジタルなプログラミングが、それぞれの限界を押し広げながら一つの作品として結実しています。
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ジャンルと音楽性
本作の最大の特徴は、アルバムの前半(A面)にギターを主体としたポストパンク/アコースティックな楽曲を配し、後半(B面)にエレクトロ・ポップやダンス・ナンバーを集約させた構成にあります。 パンキッシュな衝動を感じさせる初期の熱量と、クラブ・カルチャーに深く傾倒したシーケンサーの快楽性が共存しており、1980年代のオルタナティヴ・ロックが到達した一つの完成形と言えるでしょう。バーナード・サムナーの繊細なボーカルが、この実験的なサウンド・コントラストを優しく繋ぎ止めています。
おすすめのトラック
- 「Bizarre Love Triangle」 アルバムを象徴する不朽のエレクトロ・アンセム。 煌びやかなシンセサイザーの旋律と、切ないメロディが完璧に融合したダンス・ミュージックの教科書的な一曲です。
- 「Paradise」 アルバムの冒頭を飾る、疾走感あふれるギター・ナンバー。 重厚なベースラインと力強いドラムが、彼らが本来持っているロック・バンドとしてのダイナミズムを再認識させてくれます。
- 「All Day Long」 オーケストラルな広がりを感じさせる、ドラマチックな構成が光る名曲。 叙情的なメロディと中盤からの重厚な展開は、リスナーを深い没入感へと誘い、アルバム後半のハイライトを形作っています。
- 「Every Little Counts」 アルバムのラストを飾る、どこか諧謔的でアコースティックな手触りの楽曲。 バーナードが吹き出してしまうNGテイクがそのまま使われているなど、当時のバンドの等身大な空気感がパッケージされています。
アルバム総評
『Brotherhood』は、ニュー・オーダーが持つ多面的な魅力を最も純粋な形でパッケージした作品です。アコースティックな哀愁と、デジタルな高揚感。この相反する二つの要素が対立することなく、むしろ互いを引き立て合うことで、唯一無二のサウンドスケープを作り上げています。 リリースから数十年が経過した今なお、本作が色褪せないのは、流行に左右されない「楽曲の良さ」と「実験精神」が同居しているからに他なりません。80年代の音楽シーンを語る上で、決して避けては通れないマスターピースです。



