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都会の虚飾と舗道のリアル!ヘヴン 17が『Penthouse and Pavement』で描いた、踊れる社会風刺の極致

electoric House/Electronic
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Heaven 17『Penthouse and Pavement』

1981年、初期ヒューマン・リーグを脱退したマーティン・ウェアとイアン・クレイグ・マーシュが、ボーカリストにグレン・グレゴリーを迎えて結成したのが「ヘヴン17」です。彼らのデビュー作『Penthouse and Pavement』は、当時のシンセポップの枠組みを大きく超え、ファンク、ソウル、そして鋭い社会政治的なメッセージを融合させた革新的な一枚でした。タイトルの「ペントハウス(豪華な屋上階)」と「ペイヴメント(舗道)」が象徴するように、上昇志向のヤッピー文化とその裏にある冷酷な現実を、冷徹かつ情熱的なビートで描き出しています。

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ジャンルと音楽性

本作のジャンルは、広義には「シンセポップ」や「ニューウェーブ」に分類されますが、その実態は「エレクトロ・ファンク」と呼ぶのがふさわしいものです。アルバム前半(LPのA面)にあたる「Pavement」サイドは、生のスラップベースやホーンセクションを大胆に取り入れた、人力と機械が融合したグルーヴィーなファンク・サウンド。後半の「Penthouse」サイドは、より純粋なシンセサイザーによる構築美が際立ちます。冷たい電子音と、グレン・グレゴリーの力強くソウルフルな歌唱のコントラストこそが、彼らの最大の武器です。

おすすめのトラック

  • 「Penthouse and Pavement」 アルバムのタイトル曲であり、本作の方向性を決定づけている一曲です。軽快なスラップベースのラインと、当時の企業戦士を皮肉るような歌詞が印象的。踊れるビートの中に、当時のサッチャリズムへの批評精神が隠されています。
  • 「(We Don’t Need This) Fascist Groove Thang」 彼らのデビューシングルであり、あまりに政治的な歌詞からBBCで放送禁止になったことでも有名です。超高速のファンク・グルーヴに乗せて、レイガン(レーガン大統領)やファシズムを糾弾する姿勢は、パンク以上にパンクな精神を感じさせます。
  • 「Play To Win」 成功への野心と勝負の世界をテーマにした、重厚なシンセ・ファンクです。グレンのパワフルなボーカルが「勝ちに行く」という強気な姿勢を表現しており、80年代初頭のギラついた空気感を見事にキャプチャしています。
  • 「Let’s All Make A Bomb」 冷戦下の核の恐怖をテーマにしながらも、どこか優雅でメロディアスなポップ・ソングに仕立て上げた異色作です。深刻なテーマをあえてキャッチーな音楽に乗せて歌う手法に、彼らの知的なアイロニーが光ります。

アルバム総評

『Penthouse and Pavement』は、単なる80年代のダンス・アルバムではありません。それは、テクノロジーへの好奇心と、社会に対する確かな視座が結実したアート作品です。今聴いても全く色褪せないのは、そのグルーヴの強靭さと、人間と機械の絶妙なバランス、そして何よりポップ・ミュージックとしての完成度が異常に高いからです。ニューウェーブ・ファンのみならず、全ての音楽愛好家が一度は通るべき、インテリジェンスに満ちたダンス・クラシックと言えるでしょう。

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