Tritonal/Painting With Dreams
アメリカのエレクトロニック・ミュージック・デュオ、Tritonal(トライトナル)が2016年にリリースした『Painting With Dreams』は、彼らのキャリアにおける一つの到達点とも言える名盤です。タイトルの通り「夢を色で描く」ような、鮮やかでエモーショナルなサウンドが全編にわたって展開されます。トランスからプログレッシブ・ハウスへと進化を遂げた彼らが、ポップスとの完璧な融合を果たしたこのアルバムは、今聴いても全く色褪せることがありません。
ジャンルと音楽性
本作の核となるのは、煌びやかなシンセサイザーと心躍るメロディが交錯する「プログレッシブ・ハウス」および「メロディック・ダブステップ」です。しかし、単なるダンスミュージックの枠には収まりません。キャッチーなボーカルラインを重視したポップ・ミュージックの要素が強く、どの楽曲もアンセムとしての力強さを持っています。壮大なビルドアップから解放感あふれるドロップへと繋がる構成は、まさに聴く者の心に色を塗っていくような、多幸感に満ちた音楽体験を提供してくれます。

Tritonal/Painting With Dreams
おすすめのトラック
- 「Getaway (feat. Angel Taylor)」 アルバムのエネルギーを象徴する一曲です。Angel Taylorの透き通るようなボーカルと、Tritonalらしい跳ねるようなピアノのリフ、そして爽快感MAXのリードシンセが絶妙にマッチしています。ドライブのBGMにこれ以上ふさわしい曲はありません。
- 「Blackout (feat. Steph Jones)」 彼らの代表曲の一つであり、エモーショナルなEDMの教科書のような楽曲です。切ないメロディから一気に爆発するドロップの力強さは圧巻。歌詞の持つメッセージ性と相まって、ライブ会場が一体となる光景が目に浮かぶような一曲です。
- 「Broken (with Jenaux feat. Adam Lambert)」 実力派シンガー、アダム・ランバートを迎えた豪華なコラボ曲。ファンキーなベースラインとアダムの圧倒的な歌唱力が融合し、非常に洗練されたポップ・ダンス・チューンに仕上がっています。アルバムの中でも特に「音の厚み」と「華やかさ」が際立つトラックです。
- 「Painting With Dreams (Nothing Like Them) (feat. SHY Martin)」 アルバムのタイトルを冠したこの曲は、どこか幻想的で物語性の強いミドルテンポの楽曲です。SHY Martinの繊細な声が、聴き手を夢のような世界観へと誘います。激しいダンスチューンとは一線を画す、芸術的な美しさを感じさせる名曲です。
アルバム総評
『Painting With Dreams』は、Tritonalというアーティストが持つ「メロディへのこだわり」が結晶化した作品です。EDMがフェスでの爆発力だけでなく、個人のリスニング体験としてもいかに豊かになれるかを証明しています。
アルバム全体を通して、希望や愛、そして夢といったポジティブな感情が溢れており、聴き終わった後には心の中に鮮やかな景色が広がっているはずです。ダンスミュージック・ファンはもちろん、美しいメロディを愛するすべての人に捧げられた、現代のマスターピースと言えるでしょう。
🎵Blackout (feat. Steph Jones)


