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ベースとパーカッションが紡ぐ原始のダンスグルーヴ——リキッド・リキッドのセルフタイトルアルバム『Liquid Liquid』!ポストパンクを超えてあらゆる音楽ジャンルを横断する、時間と空間を超えたアヴァンギャルドなリズムの旅

House House/Electronic
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Liquid Liquidは、1980年代初頭のニューヨークを拠点に活動したポストパンク/ダンス・パンクの伝説的バンドだ。そのセルフタイトルのアルバム『Liquid Liquid』は、もともとEPとしてリリースされた複数の音源をまとめたコンピレーション的な内容で、バンドの短命ながらも強烈な軌跡を刻む重要な作品だ。

ジャンル的には、ポストパンク、ノーウェーブ、ダブ、ファンク、アフロビートといった要素をミニマルで実験的な手法で融合しており、そのリズム重視のスタイルは後のLCD Soundsystemや!!!(Chk Chk Chk)などのバンドにも多大な影響を与えた。とにかく「反復とグルーヴ」が命で、ギターやメロディを中心に据えないアプローチが特徴的だ。

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アルバム全体に通底する原始的エネルギー

このアルバムでは、どの楽曲も「音を削ぎ落とすことで生まれる密度と衝動」を感じさせる。ドラム、パーカッション、ベースラインのリフ、そして時折挿入されるボーカルの掛け声が有機的に絡み合い、聴き手を陶酔させる。ギターが前面に出てこない代わりに、リズム隊が全体を牽引することで、音楽がより肉体的な体験へと変貌する。

おすすめトラック

  • Cavern」
    Liquid Liquid最大の代表曲ともいえるナンバー。印象的なベースラインは、後にグランドマスター・メリー・メルの「White Lines (Don’t Do It)」で無許可サンプリングされ、問題にもなったほど。反復されるベースとタイトなパーカッションが、止めどない躍動感を生み出している。
  • 「Optimo」
    こちらもクラブ・クラシックとして知られる一曲。無骨でプリミティブなドラムと跳ねるようなベースが絡み合い、トライバルな緊張感を持続させる。まさにポストパンクのミニマル・グルーヴの真骨頂。
  • 「Scraper」
    ややダブ寄りの空間演出が心地よいトラック。エフェクトがかったボーカルとスネアのループが、暗くもヒプノティックな世界を築く。

最後に

『Liquid Liquid』は、当時のポストパンク/ノーウェーブのムーブメントを象徴するアルバムでありながら、ジャンルの枠を超えた「リズムの芸術」を提示する作品だ。シンプルだが深く、無骨ながらも洗練されている。クラブカルチャー、インディーロック、エクスペリメンタル・ミュージックなど、幅広い層にリーチする本作は、リスナーの音楽的感覚を研ぎ澄ませてくれるだろう。

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