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ザ・デセンバリスツが放つ『Picaresque』は、文学とポップが美しく衝突した現代の奇跡!歴史の闇や海賊の哀愁を、アコーディオンと歪んだギターで描き出すこのアルバムは、聴く者を11編の短編小説へと誘う、どこまでもドラマチックで愛すべき傑作

Pop Pop/Soul/Jazz
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The Decemberists『Picaresque』

2005年にリリースされた『Picaresque(ピカレスク)』は、ザ・デセンバリスツがインディー・フォーク・シーンにおける独自の地位を確立した記念碑的な作品です。「悪漢小説」を意味するタイトル通り、このアルバムには復讐、逃亡、禁じられた恋といった演劇的な物語が詰め込まれています。クリス・ウォラ(Death Cab for Cutie)によるプロデュースが、彼らの室内楽的な繊細さとロックのダイナミズムを完璧に調和させ、バンドのキャリア初期における最高傑作の一つとして語り継がれています。

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ジャンルと音楽性

本作のジャンルは「インディー・ロック」および「バロック・ポップ」に分類されますが、その音楽性は極めて折衷的です。アコースティック・ギターを中心に、アコーディオン、アップライト・ベース、ハーモニカといった伝統的な楽器が、煌びやかなキーボードやエレクトリック・ギターと共演します。フロントマンのコリン・メロイによる鼻にかかった独特のボーカルと、教養を感じさせる難解な語彙を用いた歌詞の世界観は、まるで古い劇場で一人芝居を観ているかのような没入感をもたらします。

おすすめのトラック

  • 「The Infanta」 アルバムの幕開けを飾る、重厚なドラムの連打が印象的な楽曲です。幼い王女(インファンタ)の行列を描いた歌詞は、まるで中世の絵画が動き出したかのような色彩感に溢れています。
  • 「Eli, the Barrow Boy」 若くして亡くなった手押し車の売り子の亡霊を描いた、哀愁漂うバラードです。繊細なピアノの旋律とコリンの歌声が、冷たい霧が立ち込める市場の風景を見事に描き出しています。
  • 「The Engine Driver」 複数の登場人物の視点が交錯する、切なくも美しいメロディを持つ名曲です。孤独や疎外感をテーマにしながらも、バンドのアンサンブルが温かみを与えており、彼らのソングライティング能力の高さが光ります。
  • 「The Sporting Life」 スポーツ競技での失敗と、それに伴う惨めな心情を軽快なポップ・サウンドに乗せた一曲です。アルバムの中でも特にアップテンポでキャッチーなメロディを持ち、情けない境遇をシニカルかつユーモラスに描き出す彼らの真骨頂が味わえます。

アルバム総評

『Picaresque』は、音楽を「聴くもの」から「体験するもの」へと昇華させた稀有なアルバムです。単なる楽曲の詰め合わせではなく、一冊の短編集を読み進めるような知的な悦びがあります。そこには、忘れ去られた歴史の片隅や、想像上の異国の風景が息づいています。現代のポップ・ミュージックが失いがちな「物語る力」を、彼らはこの上なく贅沢なポップ・サウンドで取り戻してみせました。時代を超えて愛されるべき、音楽による極上の文学体験です。

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