The Beat『Special Beat Service』
1982年に発表された『Special Beat Service』は、2トーン・ムーブメントの中で最も独創的でポップな進化を遂げたグループ、The Beatのサード・アルバムです。本作はバンドとしての成熟を証明した一枚であり、スカのルーツを大切にしながらも、より広範な音楽性を取り入れた意欲作です。全英・全米チャートでも成功を収めた本作は、その後のメンバーによるGeneral PublicやFine Young Cannibalsといったプロジェクトへの架け橋ともなりました。
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ジャンルと音楽性
デビュー当時の「2トーン・スカ」をベースにしつつも、本作ではニュー・ウェイヴ、モータウン・ソウル、レゲエ、さらにはジャズやラテンの要素までを巧みに取り込んでいます。デイヴ・ウェイクリングの柔らかなボーカルと、ランキング・ロジャーの鋭いトースティングが織りなすツイン・ボーカルの魅力はそのままに、サックスの音色はよりメロウに、ギター・カッティングはより繊細に進化しました。踊れるだけでなく、じっくりと聴かせる「大人のポップ・アルバム」としての品格を備えています。
おすすめのトラック
- 「I Confess」 アルバムのハイライトと言える、洗練されたジャジーなナンバーです。ピアノの旋律とデイヴの憂いを帯びたボーカルが美しく、複雑な恋愛感情をポップに昇華しています。2トーンの枠を超えた彼らの音楽的成長を象徴する一曲です。
- 「Save It For Later」 多くのアーティストにカバーされた、不朽の名曲です。変則チューニングによる印象的なギター・リフと、疾走感あふれるリズムが心地よく、80年代パワー・ポップの傑作としても高く評価されています。一度聴いたら忘れられないキャッチーなサビが魅力です。
- 「Jeanette」 初期のスカ・スピリットを感じさせつつも、どこか哀愁漂うアコーディオンの響きが印象的な楽曲です。ランキング・ロジャーとデイヴの掛け合いが楽しく、どこかフォークロアな雰囲気も漂わせる、非常にユニークで中毒性の高いトラックです。
- 「Spar Wid Me」 熱量の高いトラックです。これまでの洗練されたポップさとは一転、ランキング・ロジャーのトースティングと、唸るようなサックス、そして力強いリズム隊が火花を散らすような、バンドの「核心」と「ルーツ」を再認識させる一曲です。
アルバム総評
『Special Beat Service』は、単なるリバイバル・バンドではないThe Beatの「ソングライティング集団」としての真価が発揮された傑作です。政治的なメッセージや若者の焦燥感を、あくまで軽やかで色彩豊かなポップ・ミュージックとしてパッケージングする手腕は見事としか言いようがありません。スカという枠組みを拡張し、80年代ポップスの中に確固たる地位を築いた、彼らの最高傑作のひとつです。



