The Klingonz/The Best of Klingonz
「ただ怖いだけのサイコビリーには飽きた!もっとハッピーで、クレイジーで、最高に踊れるロックンロールが聴きたい!」 そんな贅沢な音楽ファンの欲望を120%満たしてくれるのが、ザ・クリンゴンズの『The Best of Klingonz』です。 彼らのサウンドは、まるでホラー映画のサーカス小屋に迷い込んでしまったかのような、不気味でありながらとびきりキュートな興奮に満ちています。一度聴いたら脳裏から離れないキャッチーなメロディと、心臓を直撃するハイスピードなスラップベースの応酬は、日々のストレスを跡形もなく吹き飛ばしてくれる破壊力を持っています。現在では入手困難なシングル曲やライブでの大定番曲がこれでもかと網羅された本作は、世界のストリート・シーンで今なお偏愛され続ける、カルトにして不滅 of マスターピースです。
ジャンルと音楽性
本作の音楽ジャンルは、「サイコビリー(Psychobilly)」「トイ・パンク」「ガレージ・パンク」、および「スペース・サイコビリー」に属します。 最大の特徴は、トリオ編成とは思えないほどの音の厚みと、おもちゃのラッパを吹き鳴らすようなキッチュでコミカルなアレンジセンスです。 ザ・メテオス(The Meteors)ようなダークで硬派な暗黒サイコビリーとは好対照をなす、明るく跳ねるようなメロディラインが彼らの真骨頂。しかし、バックで激しくのたうち回るウッドベースは凄まじい超高速スラップをキープしており、パンク直系のソリッドな破壊衝動を完璧にキープしています。この「究極のポップ&スピード」の融合こそが、彼らが唯一無二と評される理由です。

The Klingonz/The Best of Klingonz
おすすめのトラック
- 「Blue Suede Shoes」エルヴィス・プレスリーやカール・パーキンスによるロックンロールの世界的クラシックを、原形を留めないほど凶暴な高速サイコビリーへと魔改造した衝撃のカバーです。バチバチと鳴り響くウッドベースと、宇宙的なファズギターが暴れ回るスリリングな仕上がり。彼らのお祭り精神と確かな演奏技術が爆発するキラーチューンです。
- 「V.D. Blues」彼らの初期の代表曲であり、下品でクレイジーなユーモアセンスが炸裂する爆走ナンバーです。サイコビリーならではのスラップベースの打撃音が耳に心地よく響き、そこにポールのハスキーでコミカルな歌声が絡み合います。一度聴いたら理性を忘れてステップを踏みたくなるような抜群の中毒性を持っています。
- 「Too Sentimental」ただ暴れるだけでない、彼らの並外れた「美メロ・センス」を堪能できる屈指の名曲です。哀愁を帯びたキャッチーなメロディラインを高速2ビートに乗せて爽快に疾走させる展開がとにかく素晴らしく、ライブでも大合唱を誘うファンに非常に愛されている大人気トラックです。
- 「Werewolf Boogie」サイコビリーの大定番である「人狼」をモチーフに、転がるような超重量級のスウィング・ブギ仕様で爆走させた超強力なダンス・ナンバーです。イントロから狂ったように打ち鳴らされる極悪なウッドベースのスラップと遠吠えのようなシャウトが、フロアを一瞬でモッシュとレッキングの嵐へと陥れる、アルバムのハイライトを飾る一曲です。
アルバム総評
ザ・クリンゴンズの『The Best of Klingonz』は、1980年代後半から90年代にかけてのサイコビリー黄金期が遺した、最もクレイジーで、最もハッピーな奇跡の結晶です。 これほどまでにロカビリー本来の持つ「スウィング感」を狂気的なパンク・ビートでブーストし、かつ徹底的にキッチュに仕上げたバンドは、世界の音楽史を探しても他に存在しません。
ただうるさいだけのパンクに退屈してしまったリスナーはもちろん、トイ・ドールズのようなユーモラスなパンクや、ガレージロック、ネオロカビリーを深く掘り下げたい人にとって、本作は聴くたびにアドレナリンが吹き出す最高のコレクションになります。見事なピエロメイクのビジュアルに負けない、超一級品のバンドアンセムを、ぜひスピーカーのボリュームをいつもより少し大きめにして体感してみてください!
🎵Werewolf Boogie


