Cam Kahin/CHUG
23歳のトロント出身オルタナティブ・アーティスト、キャム・カヒンのデビューアルバム『CHUG』は、2026年1月23日にダイン・アローン・レコードよりリリースされました。キャム・カヒンはオンタリオ州ダンヴィルという人口わずか6000人の小さなコミュニティで育ち、常にアウトサイダーとして生きてきました。音楽ヴェニューはなく、存在していたアートは彼のためのものではありませんでした。本作では「もし故郷を離れていなかったら自分はどうなっていたか」という仮想の自分を通して故郷を再訪し、孤独から生まれ、コラボレーションによって鍛え上げられた、「まさに前進すること、どんな状況でも全力で、止まらずに進み続けること」というコンセプトを全10曲・31分29秒に凝縮しています。
ジャンルと音楽性
ハードコア、エモ、ポップパンクのセンシビリティが満載で、スペンディングアウトしながらも頑固に持続していく、出口を求める親しみやすい痛みの中に存在しています。うんざりしたオルタナティブロックとラジオ・アコースティックの下地が時折顔を出す構成が持ち味で、触れられるような物理的なサウンドが特徴です。ミディ・ビートの上に乗っかった気乗りのないボーカルではなく、バンドが実際に演奏している音が聴こえてくる生々しさが、このアルバムを一聴で本物だと感じさせます。

Cam Kahin/CHUG
おすすめのトラック
- can’t hide from you (feat. Natsuko Miyamoto)
アルバムの幕開けを飾る、ナツコ・ミヤモトをフィーチャーしたオープナーです。
不気味なリンギングで始まり、ドラムが攻撃的に叩きつけられた後、残りの楽器が続いて短く急上昇してからボーカルのスペースを作るために引き下がるという展開が、このアルバムのトーンを即座に確立しています。このリンギングはアルバムのクローザー「where’d it all go wrong」の終わりでも戻ってきて、アルバムに完璧な円環構造を与えています。 - pacifica
キャム・カヒンが多くの時間を過ごして育ったハミルトンという街と、当時通ったライブシーンへのトリビュートとして書かれた楽曲です。
40分離れた田舎に住みながら、ハミルトンが外の世界への入口となっていたという個人的な経験が込められており、場所への愛と自由への渇望が一体となったアルバム中盤のハイライトです。4分23秒という本作最長のトラックで、感情が最も丁寧に積み重なっていきます。 - limbo
アルバム後半で際立って抒情的な一曲で、テンポが落ちてインストゥルメントがボーカルにスポットライトを当てるために落ちていき、ギターが呼応するように泣き叫びます。雰囲気があり、密度の濃いディストーションが際立つスタンドアウト・トラックで、夢のようなビデオとともに先行シングルとしてリリースされ、アルバムのコンセプトを最も純粋に体現しています。 - where’d it all go wrong
アルバムを締めくくる、感情的なカタルシスの集大成です。
キャム・カヒンがクリーンな上のレジスターから感情的に充電された低いシャウトへと崩れ落ち、そしてまた戻っていくという対比が際立っており、アルバムの冒頭で響いた不気味なリンギングがここで戻ってきて全体を一つのストーリーとして完結させます。ライブのアルバム・リリース・ショーでも最後を飾り、演奏が終わるとすぐに「もう一曲」の声が会場中に響き渡ったという、バンドの底力を証明する圧巻のクロージング・トラックです。
アルバム総評
孤独から生まれ、コラボレーションによって鍛え上げられたこのアルバムは、持続性、脆弱性、そして前進することを選ぶ静かな反抗心というテーマを体現しています。音楽を生き残りの手段として捉え、大きな声で、正直に、そして必死に生きようとするキャム・カヒンの姿勢が、31分の全編に渡って一秒も嘘をつかずに伝わってきます。「多くの人が幻滅を感じている。このアルバムがその孤独を少しでも和らげるか、前へ進む小さなきっかけを与えることができたなら、それがこのアルバムに期待していたことだ」というキャム・カヒン自身の言葉通り、2026年最も正直で最も必要とされているデビュー盤です。
🎵can’t hide from you (feat. Natsuko Miyamoto)


