2002年にリリースされたクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(以下QOTSA)の3枚目のアルバム『Songs for the Deaf』は、彼らの代表作であり、ヘヴィロック史に名を刻む傑作です。このアルバムは、リーダーのジョシュ・ホーミが描き出すデザートロックの独自性に、ドラマーとして参加したデイヴ・グロール(元Nirvana、現Foo Fighters)やマーク・ラネガン(Screaming Trees)の深みあるヴォーカルが加わり、唯一無二のサウンドを作り上げています。
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コンセプトとストーリー性
アルバムはカリフォルニアの砂漠を舞台にした架空のラジオ局の放送をテーマに構成されており、曲間にDJのトークやラジオのノイズが挿入されています。この工夫により、リスナーは砂漠を車で疾走する旅の雰囲気を体感でき、アルバム全体が一つの大きなストーリーとして楽しめます。タイトルにある「Deaf(耳が聞こえない)」は、音楽が聴覚ではなく、体全体で感じるものであることを暗示しているようです。
ジャンルとサウンド
ジャンル的にはストーナーロックやオルタナティブロック、ハードロックに分類されますが、QOTSAならではの独特のヘヴィさとグルーヴ感が随所に光ります。厚みのあるギターリフやリズムセクションはシンプルながらも圧倒的で、リスナーを虜にするエネルギーに満ちています。また、静と動のダイナミクスが巧みに配置され、全編を通して緊張感が途切れません。
おすすめの曲
- “No One Knows”
アルバムの代表曲で、グラミー賞にノミネートされた一曲。印象的なギターリフとデイヴ・グロールの強烈なドラムが特徴です。中盤のギターソロは圧巻。 - “Go with the Flow”
アップテンポでドライビング感の強いナンバー。キャッチーなメロディと、直線的なビートが癖になります。 - “A Song for the Dead”
ヘヴィで暗く、マーク・ラネガンの深みのあるヴォーカルが冴える楽曲。デイヴ・グロールのドラムパフォーマンスも聴きどころです。 - “First It Giveth”
シンプルな構成ながら、リフとメロディが頭に残る名曲。ホーミのヴォーカルが特に魅力的です。
まとめ
『Songs for the Deaf』は、リスナーを砂漠の中に引き込むような没入感のある作品です。鋭いサウンドデザインと絶妙なストーリーテリングが組み合わさり、リリースから20年以上経った現在でも新鮮な印象を与えます。QOTSAの音楽を語るうえで避けては通れない一枚であり、ロック好きならば必聴です。