イギリス・シェフィールド出身のインディーロックバンド、Arctic Monkeysによる5作目のスタジオアルバム『AM』は、2013年にリリースされ、世界中で爆発的な支持を獲得しました。彼らの従来のギターロックに加え、R&Bやヒップホップからの影響を感じさせるこのアルバムは、バンドの音楽的成熟と実験精神を象徴する1枚として評価されています。セクシーで重厚、そして中毒性のあるグルーヴが全編を支配し、新たなArctic Monkeys像を確立しました。
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Amazon.co.jp: AM : アークティック・モンキーズ: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
『AM』は、インディーロックを基盤にしつつ、R&B、サイケデリックロック、ヒップホップ、ドゥーワップなどの要素が巧みに織り交ぜられています。スローテンポでムーディーな曲調と、Alex Turnerの低く艶のあるボーカルが印象的。ギターリフはシンプルながらも中毒性があり、ラップ的なリズムで言葉を刻む歌詞と相まって、独自の世界観を構築しています。プロデューサーのJames Fordと、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのJosh Hommeの参加も、アルバムのダークでセクシーな質感に貢献しています。
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おすすめのトラック
- 「Do I Wanna Know?」
アルバムの幕開けを飾る代表曲。重低音のリフと、ささやくようなボーカルが妖しく絡み合う、究極のミッドテンポ・ロック。恋愛の迷いや未練を描いたリリックも印象的で、静かに聴き手を引き込む。 - 「R U Mine?」
攻撃的でエッジの効いたサウンドが炸裂するロックナンバー。ギターのリフとベースラインが骨太で、バンドの演奏力とエネルギーがダイレクトに伝わってくる。 - 「Arabella」
ブラック・サバス風のヘヴィなリフから始まり、メロディアスな展開へと移る構成がスリリング。愛と欲望、現実と幻想の狭間にあるような雰囲気を醸し出す。 - 「I Wanna Be Yours」
詩人ジョン・クーパー・クラークの詩を基にしたラストトラック。柔らかく、静かに響くメロディと囁くようなボーカルが、美しくも切ない余韻を残す。
アルバム総評
『AM』は、Arctic Monkeysが自らのサウンドに新たな挑戦を加えながらも、リスナーに強い印象を残すことに成功した作品です。ロックバンドとしての骨格を保ちながら、現代的なサウンドを巧みに取り入れ、スタジアムでもクラブでも響く音楽を生み出しました。アルバム全体に漂う官能性とクールな美意識が、彼らを次のフェーズへと導く重要な一歩となったことは間違いありません。