Millie/More Millie, My Boy Lollipop
「もっと身体の芯から跳ね踊りたくなる、ハッピーで極上のヴィンテージ・ビートが聴きたい!」 そんな退屈にまみれたMods(モッズ)キッズや、R&B、ブラック・ミュージック・ジャンキーのハートを完璧に鷲掴みにするのが、ミリー・スモールの『More Millie, My Boy Lollipop』です。 本作が提示するのは、1960年代のスウィンギング・ロンドンにおける最もスタイリッシュなダンスフロアそのもの。 ミリーのトレードマークである、どこかロリータで狂おしいほどにキャッチーなハイトーン・ボイスと、ジャマイカが誇る極太の裏打ちホーンセクション。スピーカーから放たれる圧倒的な熱量が、あなたの部屋を一瞬にして1964年当時のきらびやかな夜のクラブへと変貌させます。
ジャンルと音楽性
本作の音楽ジャンルは、すべてのスカの源流である「アーリー・スカ(Early Ska)」「ブルービート(Bluebeat)」、そして「ヴィンテージR&B/ポップ・スカ」に分類されます。 最大の特徴は、ジャマイカ特有 of バウンシーな裏打ちのリズムと、ロンドンの一流スタジオ・ミュージシャンによる極めてタイトで都会的なアレンジとの奇跡的な融合です。 伝説のジャズ・ギタリスト、アーネスト・ラングリンによる心地よいカッティングと、煌びやかでスマートなホーンセクションが極上のレイヤーを描きます。ただ元気で陽気なダンス・ミュージックにとどまらず、ヨーロッパの裏街のセンチメンタリズムをまとったような「胸キュンで哀愁漂うメロディライン」が随所に散りばめられており、聴く者を飽きさせないハイクオリティな完成度を誇っています。

Millie/More Millie, My Boy Lollipop
おすすめのトラック
- 「My Boy Lollipop」彼らの名を一瞬にして世界中に決定づけた、ポップ・スカの歴史における最高到達点にして、不滅の世界的メガヒット・アンセムです。軽快な管楽器のイントロが鳴り響いた瞬間、誰もが笑顔になってステップを踏み出します。ミリーの甘く愛らしいハイトーンの歌唱スタイルと、当時噂された(ロッド・スチュワートとも言われる)哀愁を帯びたブルース・ハープのソロのコントラストは極めて洗練されており、全身の産毛が逆立つほどのカタルシスを放っています。
- 「Sweet William」「My Boy Lollipop」に続いてシングル・カットされ、全英・全米のラジオを熱狂させた、アルバムのオープニングを飾る極上のシンセ・ポップ・スカです。ハニーなコーラス・ワークと、小気味よいアーネスト・ラングリン風のカッティングギターが心地よく滑り抜けます。ミリーのどこかハスキーで艶やかなヴォーカルが美しく滑り抜ける、60sポップ・スカの醍醐味が凝縮された隠れた傑作です。
- 「BLUEY LOUEY」跳ねるような裏打ちギターと、ミリーのどこかコミカルで可愛らしいハスキー・ヴォイスが強烈な中毒性を生み出す、クラブフロア直系の傑作ジャンプ・スカ・ナンバーです。転がるようなドラムパターンとうねるホーン・アンサンブルの上で、ミリーが楽しげに叫び、スキャットをまき散らす展開はカタルシス抜群。思わず一緒にステップを踏み出したくなるようなハッピーなバイブスに溢れた、彼女のダンス・ビート・センスの極致を体感できる重要トラックです。
- 「What Am I Living For」R&Bシンガーのチャック・ウィリス(Chuck Willis)によるクラシック・ソウルを、ミリーならではの瑞々しい解釈で再生させた感動的な名カバーです。しっとりと美しいアコースティック・ギターと、ハニーなドリーミー・コーラスに乗り、恋の切なさを、哀愁たっぷりにエモーショナルに歌い上げます。真夜中の静寂を美しく彩るような、彼女のシンガーとしての豊かな表現力を実感できる重要なトラックです。
アルバム総評
ミリー・スモールの『More Millie, My Boy Lollipop』は、1960年代前半という「ジャマイカのスカが最も獰猛で、そして最もピュアに輝いていた瞬間」を、これ以上ないほどスタイリッシュに真空パックした奇跡の名盤です。 ここにあるのは、デジタルで綺麗に整えられたお行儀の良いラウンジ・ミュージックではなく、汗とビールの匂い、未来への純粋な憧憬、およびどんな不条理な日常も最高にタフでオシャレなステップで乗り越えていくアティテュード(姿勢)そのものです。
耳に残る完璧なサビ、スロウで心地よいジャマイカン・ブギの快楽、およびどんな退屈な空間もスタイリッシュなロードムービーのワンシーンに変えてしまうようなサウンド。これらは現在の80sレトロ、Y2K、シティ・ポップ再評価の流れにも完全にフィットします。ザ・スペシャルズやマッドネスなどの2-Toneスカ・ファンはもちろん、初期の荒削りなストリート・パンク、ガレージロック、ヴィンテージR&Bを掘り下げたいすべてのロック・ジャンキーにとって、本作は一生モノのコレクションとして手元に置いておくべき究極のマスターピースです。さあ、スピーカーのボリュームをいつもより少し大きめにして、彼女たちの極上爆走スカビートに魂を委ねてみてください!
🎵My Boy Lollipop


