The Epileptic Hillbilly’s/Insanity
イングランド・シェフィールド出身のサイコビリーバンド、The Epileptic Hillbilly’sの2ndアルバム『Insanity』は、ウェスタン・スター・レコードよりリリースされました。デビュー作『Tales From The Underworld』がサイコビリーシーンで大ヒットを記録し、「今年最も待望されるサイコビリー盤のひとつ」として期待を一身に集めた本作は、全12曲という充実の構成で届けられています。
デビュー作同様に高い評価を受けた本作は、オリジナル曲の水準を維持しながら、トラディショナルなオールドスクール・サイコビリーのサウンドから一切逸脱しないというバンドの信念を全編で貫いており、ディスコグスで平均評価4.62という驚異的な高評価を誇っています。
ジャンルと音楽性
パウンディングなスラップベース、レイザーシャープなギターリフ、フレネティックなリズムに駆動されるサウンドは、サイコビリーシーンが求めるもの――ファスト、ラウド、そしてダンスフロアのために作られた音楽――を正確に届けています。
ホラー・ロックンロールにカントリーとサイコ的要素を融合させ、テディ・ボーイ・ロックンロールの影響も感じさせるサウンドは、The Epileptic Hillbilly’sの独自性を際立たせています。スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの影響も随所に感じられる、2010年代のシェフィールドから世界に向けて放たれたオールドスクール・サイコビリーの純粋な結晶です。

The Epileptic Hillbilly’s/Insanity
おすすめのトラック
- I’m A Hillbilly
アルバムの幕開けを飾る、バンドの自己紹介そのものの一曲です。
「俺はヒルビリーだ」というタイトルが示す通り、The Epileptic Hillbilly’sのアイデンティティと反骨精神が最初の一音から全開になるオープナーです。スラップベースが引き込み、ギターリフが炸裂する瞬間、このバンドが何者かをリスナーに一瞬で叩き込みます。 - Hellbound
「地獄へ向かう」というタイトルが示す、ホラー的世界観全開の一曲です。
ヴィンテージ・ホラー的な雰囲気を纏いながら、猛烈なスピードとパウンディングなリズムが全面に出るこのトラックは、The Epileptic Hillbilly’sのサイコビリーとホラーへの愛が最もストレートに体現された一曲です。ライブでは観客が一斉に拳を上げる、本作屈指のアンセムです。 - Insanity
アルバムのタイトルトラックにして、バンドの哲学を一曲に凝縮した本作の核心です。
2分18秒という短さの中に、サイコビリーというジャンルの醍醐味がすべて詰め込まれています。「狂気」というタイトルが示す通り、コントロール不能のエネルギーと疾走感が全編を支配し、聴き手を一瞬で巻き込んで放さない中毒性を持っています。 - The Unstoppable Killer
2分13秒の「止まらない殺人者」をテーマにした、ホラー・サイコビリーの粋が凝縮されたクロージングに向けての山場です。スクリーミン・ジェイ・ホーキンスへのオマージュを感じさせる毒気と、シェフィールドのバンドならではのタフさが同居するこのトラックは、アルバム後半の最大のハイライトです。
アルバム総評
デビュー作『Tales From The Underworld』がサイコビリーシーンに旋風を巻き起こした後、The Epileptic Hillbilly’sは本作でその高い水準を完全に維持することに成功しています。「デビュー作が好きなら、Insanityも必ず気に入る」というシンプルな評価が示す通り、バンドは自らの個性を磨き上げながらも、トラディショナルなオールドスクール・サイコビリーへの敬意を一切失っていません。ウェスタン・スター・レコードとビアー・ファミリー・レコードという二大レーベルから再発されるほどの人気を誇る本作は、サイコビリー好きなら必ず手に取るべき必聴盤です。
🎵Insanity


