『Pink』は、1991年に発売された唯一のアルバムです。イギリスのアンダーグラウンドから飛び出した、サイコビリー・シーンの異端児Something Shockingは、ホラーパンクの猥雑さとロカビリーの原始的エネルギーを軸に、ゴスやグラムの要素をぶち込んだ独自のスタイルで注目されてきた4人組。女性ボーカルのVanessaの歌声とポップでパンクなサウンドが特徴です。ロカビリーを基調にしながら、サーフロック的ギター、スラップベース、スクリーム混じりのボーカルといった要素を取り入れ、どこかシアトリカルなステージングも魅力だ。
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ジャンルと音楽スタイル
このアルバムは、サイコビリーとパンクロックの要素を組み合わせたスタイルが特徴です。サイコビリー特有のスラップベースと疾走感のあるギターリフが際立ち、パンクの攻撃的なエネルギーが加わることで、独自のサウンドを生み出しています。
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おすすめのトラック
- 「Spend Spend Spend」
エネルギッシュなパンクロックナンバーです。疾走感のあるギターリフと力強いボーカルが特徴で、バンドの反骨精神を象徴する楽曲となっています。シンプルながらもキャッチーなメロディが印象的です。 - 「Flight 101」
夜明け前の滑走路を猛スピードで突っ走るような感覚。スモークの中、歪んだギターが翼のように広がり、地上を離れる瞬間の孤独と高揚をサウンドに詰め込んだ一曲。 - 「Something Shocking Pink」
バンド自身の名を冠した自己定義であり、挑発そのものだ。軽やかなピンクのイメージをぶち壊すように、スラップベースが唸り、ギターが火花を散らす。その轟音の中で、ボーカルはまるで鏡越しに自分を睨み返すような、冷たくも情熱的なまなざしを投げかける。 - 「Who Cares」
投げやりなタイトルとは裏腹に、切実な怒りが滲む一曲。跳ねるスラップベースと無機質なビートに乗せて、ボーカルは“誰も気にしちゃいない”と吐き捨てるように歌う。無関心という名の社会的暴力を、皮肉とユーモアでねじ伏せる、皮肉屋たちのパンク讃歌だ。
総評
Something Shockingの『Pink』は、サイコビリーの伝統を踏襲しながら、それを華麗に裏切ってみせた傑作だ。ホラー、グラム、フェティッシュ、ロマンス、すべてが溶け合いながら、ただのカウンターカルチャーではなく“美意識としての暴力”へと昇華している。