Barnyard Ballersのアルバム『Nudie Bar Blues』は、サイコビリー/カウビリー/ロカビリーのカオスな融合によって生まれた、まさに“下世話で最高に楽しい”痛快アルバムだ。彼らの楽曲は常にブラックユーモアと酒場の喧騒、アンダーグラウンドな陽気さに満ちており、このアルバムでもその本質が炸裂している。
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ジャンルと音楽性
ジャンルとしては、サイコビリーを中心にしながらも、ホンキートンクの要素やウェスタン・スウィング、さらにはパンクの衝動をミックスした独特のスタイルを確立。一聴するとノスタルジックな50年代調ロックンロールの影が見えるが、歌詞やテンションは完全に現代的で、毒とユーモアが見事に共存している。
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おすすめのトラック
- 「Nudie Bar Blues」
アルバムタイトルにもなっているこの曲は、酒と女と夜の笑いが渦巻く、スモーキーでスキャンダラスなブルース・ロカビリー・ナンバー。気怠くもノリのいいグルーヴに、どこか哀愁を帯びたメロディが乗り、彼らなりの“憂さ晴らしのブルース”を表現している。 - 「Godboy」
荒々しくも皮肉の効いたリリックと、ざらついたサイコビリー・サウンドが融合した一曲。宗教的テーマを逆手に取りながら、痛快かつ挑発的に突き抜けるその勢いは、彼らならではの反骨精神を感じさせる。聴けば聴くほどクセになる、歪んだカルト・アンセム。 - 「Barndance」
カントリー風のギターリフとサイコビリーの衝動が炸裂するハイエナジーなダンスナンバー。混沌としたパーティー感と泥臭さが絶妙にブレンドされており、タイトル通り“納屋の乱痴気騒ぎ”を体現した一曲。 - 「Bullies」
社会への怒りと反骨精神を詰め込んだストレートなパンクナンバー。鋭いリフと攻撃的なボーカルが、不条理な権力や圧力への痛烈なカウンターとして響く。短くも強烈な一撃。 - 「Terror of Tijuana」
荒々しいサウンドとユーモアの効いたストーリーテリングが光るパンク・サイコビリー・チューン。混沌と暴走感が絶妙に交差する、まさにタイトル通りの“恐怖”と“快楽”が同居した1曲。
総評:下世話で上等、だけど音楽的には超本格派!
『Nudie Bar Blues』は、一見するとふざけたアルバムタイトルや歌詞で敬遠されがちだが、実際に耳を傾ければ、そこにはしっかりとした音楽性と高い演奏技術、そして何より“楽しむこと”への徹底的なこだわりが感じられる。Barnyard Ballersは、ふざけているようで真面目、真面目なようで常にふざけている。そのバランス感覚が、彼らを単なるネタバンドではなく、“信頼できるロカビリー・エンターテイナー”へと昇華させている。
ロカビリー、サイコビリー、パンク好きはもちろん、少し疲れた日常に笑いとビートを求めるすべての人にオススメしたいアルバムだ。