UK出身のプロデューサー兼マルチインストゥルメンタリスト、Quantic(クァンティック)によるベストアルバム『The Best of Quantic』は、彼の音楽的探究の軌跡をたどる最良の入り口だ。2000年代初頭からラテン、ファンク、ソウル、アフロビート、エレクトロニカを融合させながら、世界中のリズムとグルーヴを再解釈してきた彼の魅力が、粒揃いの楽曲群として凝縮されている。
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ジャンルと音楽性
Quanticの音楽性をひとことで言い表すのは難しい。というのも、彼のスタイルは多文化的でジャンル横断的だからだ。基本にはダウンテンポやファンクがありつつも、コロンビアのクンビアやキューバ音楽、アフロビート、サイケデリックソウル、さらにはジャズやブレイクビーツの要素までが縦横無尽に交差する。
このベスト盤では、彼の変遷を音で旅するような感覚を味わえる。初期のブレイクビーツ寄りのインストゥルメンタルから、後期のラテン~カリビアン色が強まった楽曲まで、Quanticというジャンルそのものを体感することができるのだ。
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おすすめのトラック
- 「Time is the Enemy」
イントロから放たれるスモーキーなビートに、ブルージーなギターとオルガンが絡み合う名曲。ブレイクビーツとヴィンテージソウルが絶妙に融合した代表的ナンバー。 - 「Death Of The Revolution」
派手な破壊ではなく、静かに崩れゆく理想やシステムへの哀悼を感じさせるムードが漂います。ファンクやソウルのエッセンスを繊細にブレンドしながら、ミニマルなビートとスモーキーなメロディで聴き手を引き込む、深く味わいたい1曲です。 - 「Perception」
軽やかなパーカッションと、エレクトロニカ的アプローチが融合したフューチャーファンク的なナンバー。ライブでも人気の高い一曲で、グルーヴの妙が心地よい。 - 「Transatlantic」
後期Quanticのサウンドを象徴するトラック。南米的なメロディと、生演奏感のあるグルーヴがダンサブルかつエモーショナル。 - 「Sol Clap」
アフロキューバン・リズムを基盤に、ホーンとビートが絡むエネルギッシュな曲。まさにQuantic流の“世界音楽”の真骨頂。
アルバム総評
『The Best of Quantic』は、単なるヒット曲の寄せ集めではなく、音楽探究家Quanticの進化の軌跡を1枚にまとめた「音の旅」だ。ダンスフロアもチルアウトな空間も似合うサウンドは、耳に心地よく、身体を自然と揺らす。
このアルバムは、クラブジャズやワールドミュージック、ブレイクビーツやレトロソウルといったジャンルの橋渡し的存在とも言える。ジャンルにとらわれず良質な音楽を楽しみたいリスナーにはうってつけの一枚だ。