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ボストン・ハードコアの伝説、ギャング・グリーンの『Another Wasted Night』は、パンクとスラッシュの境界をぶっ壊す、若き衝動の爆弾だ!これぞ、後のクロスオーバー・スラッシュに決定的な影響を与えた、享楽的で最高に危険な初期の傑作

punk Punk/SkaPunk/Garage
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Gang Greenの『Another Wasted Night』は、1986年にリリースされたハードコア・パンク史における爆弾のような存在感を放ち続ける初期の重要作品です。ボストン・ハードコア(BosSton Hardcore)の初期を代表するバンドの作品として、そのタイトルの通り「また無駄に夜を過ごした」かのような刹那的な若者のエネルギーと、荒々しいサウンドが凝縮されています。この短い時間は、彼らの持つパンクの衝動と卓越した演奏技術が最高潮に達した瞬間を捉えています。

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ジャンルと音楽性

本作の基盤は、初期ボストン・ハードコアの持つ、生々しく攻撃的なサウンドです。特に注目すべきは、単なるパンクに留まらない、スラッシュメタルの要素を貪欲に取り込んだ音楽性です。ギターリフは速く鋭く、時にメタリックな質感を持ち、Chris Olivasによるドラムは驚異的なスピードとパワーで全編を疾走します。また、名曲「Alcohol」に代表されるように、酒、スケートボード、そしてパーティーといったライフスタイルを歌う歌詞は、当時のアメリカン・ハードコアの中でも特に享楽的でストレートな側面を打ち出しており、後のクロスオーバー・スラッシュにも多大な影響を与えました。混沌としたエネルギーの中に、確かな演奏力が光る、まさにジャンルの境界線を打ち破った一枚と言えます。

おすすめのトラック

・「Alcohol」このアルバムの顔であり、パンク・ロック史に残るパーティー・アンセムです。「I’m an alcoholic, yeah, I am!」というストレートなシャウトから始まり、アルコールへの依存と称賛を赤裸々に歌い上げます。キャッチーで疾走感があり、ライブでも最も盛り上がる代表曲です。

・「Skate to Hell」当時のアメリカのハードコア・シーンと密接に結びついていたスケートボード文化を象徴する一曲です。曲調は非常にファストでアグレッシブであり、そのサウンドは聴き手を文字通り「地獄まで滑り降りる」かのような強烈なスピード感へと誘います。

・「Have Fun」わずか1分弱で駆け抜ける、Gang Greenのストレートで短命な曲作りの美学が詰まったトラックです。「楽しめ」というメッセージをシンプルに、そして爆音で叩きつける純粋なハードコア・パンクです。

・「Another Wasted Night」このアルバムのタイトルチューンであり、純粋なスピードコアです。タイトルの通り「また無駄に夜を過ごす」若者の刹那的な感情を表現しており、Gang Green特有の疾走感とパンクのエッセンスが凝縮されています。アルバム全体のムードを決定づける重要な一曲です。

アルバム総評

『Another Wasted Night』は、パンク・ロックが持つプリミティブな衝動と、メタルの持つ攻撃的な技術が絶妙にブレンドされた「クロスオーバー・スラッシュ」という新たなジャンルの誕生を予感させた重要作です。収録時間が短いからこそ、そのエネルギー密度は非常に濃く、聴き手に強烈なインパクトを与えます。もしあなたが、単なるパンクでは物足りず、爆発的なスピードと破壊力を求めるのであれば、間違いなくこのアルバムは必聴です。Gang Greenの初期の輝きを体感できる、色褪せないハードコアの古典として、今もなお多くのリスナーに愛され続けています。

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