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50年代のリーゼント・スピリットを最新のポップ・センスで着飾り、パンクの衝撃をパステルカラーのノイズで塗り替えた!ザ・ポールキャッツが最高傑作『Pink Noise』で鳴らしたのは、単なる回顧ではない!それは、ウッドベースの唸りが、永遠のユース・カルチャーへと昇華した瞬間

rockabilly Rockabilly/Psychobilly
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1980年代初頭、イギリスで巻き起こったネオロカビリー・ムーヴメント。その中心にいたのが、平均年齢わずか10代後半でデビューしたザ・ポールキャッツ(The Polecats)です。彼らが1981年にリリースした『Pink Noise』は、ストレイ・キャッツと並んでこのジャンルを象徴する一枚でありながら、よりニューウェーブに接近したポップな感性が光る金字塔的な作品です。プロデューサーにデイヴ・エドモンズを迎え、完璧に磨き上げられたそのサウンドは、今なお多くの音楽ファンを魅了して止みません。

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ジャンルと音楽性

伝統的な50’sロカビリーを土台にしながらも、当時流行していたポストパンクやニュー・ロマンティックの華やかさを大胆に取り入れた「ネオロカビリー」の決定盤です。ティム・ポールキャットの妖艶で伸びやかなボーカルと、ボズ・ブーラーの変幻自在なギターワークは、ロックンロールの「不良性」に「洗練された美学」を加え、唯一無二のポップ・アイコンとしての地位を確立しました。

おすすめのトラック

  • 「Bang Bang」 アルバムの幕開けを飾る、極上のポップ・チューン。B.A.ロバートソンのカバーですが、もはや彼らのオリジナルと言っても過言ではないほど、弾けるような躍動感と瑞々しさに溢れています。
  • 「She’s the One to Blame」 切ないメロディラインと疾走するリズムが完璧なバランスで融合した名曲。ティムの繊細な歌声が、若き日の恋愛の焦燥感をドラマチックに描き出しています。
  • 「I’m Ready」 ファッツ・ドミノの名曲を、エッジの効いたモダン・ロカビリーへアップデート。デイヴ・エドモンズによるタイトなプロデュースワークが冴え渡る、ダンスフロア仕様の一曲です。
  • 「Magical Curtain」 アルバムの中で異彩を放つ、どこかサイケデリックで浮遊感のあるナンバー。彼らが単なるロカビリー・バンドではなく、広大な音楽的ポテンシャルを持っていたことを証明しています。
  • 「Crash the Party」 激しいスラップベースが唸る、エネルギー全開のロックンロール。若さゆえの無鉄砲さと、パーティーを最高潮に引き上げる爆発力が詰まった、アルバムのフィナーレに相応しいトラックです。

アルバム総評

『Pink Noise』というタイトルが示す通り、このアルバムには「甘さ」と「刺激」が同居しています。かつてこれほどまでにファッショナブルで、かつ硬派な演奏技術に裏打ちされたロカビリー・アルバムがあったでしょうか。当時の熱狂を知る世代には懐かしく、新しい世代には新鮮な衝撃を与える、時代を超越したエバーグリーンな名盤です。

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