The Cure『Songs Of A Lost World』
1970年代末のデビュー以来、ポスト・パンクやニュー・ウェイヴの先駆者として君臨し続けてきたThe Cure。彼らが前作から実に16年という歳月を経て、通算14枚目となるスタジオ・アルバム『Songs Of A Lost World』を完成させました。ロバート・スミスの内面に渦巻く死生観、失われたものへの哀歌が、これ以上ないほど重厚かつ壮麗なサウンドで描き出されています。全編を通じて漂う圧倒的な没入感は、まさにファンが待ち望んでいた「真のThe Cure」の帰還を告げています。
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Amazon.co.jp: Songs Of A Lost World : ザ・キュアー: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
本作の核となるのは、ゴシック・ロックの極致とも言える「ダークで、重厚で、かつ美しく鳴り響く」サウンドスケープです。80年代の傑作『Disintegration』を彷彿とさせる長大なイントロダクション、重く引きずるようなドラム、および銀河のように広がるシンセサイザーが特徴です。単なるインディー・ロックの枠を超え、ドゥーム・ロックやシンフォニックな要素さえ感じさせる、非常に映画的な音楽性に仕上がっています。
おすすめのトラック
- 「Alone」 アルバムの幕開けを飾るこの曲は、約3分半に及ぶ壮大なインストゥルメンタルから始まります。世界の終焉を感じさせる重厚なサウンドは、本作のテーマを象徴しています。
- 「And Nothing Is Forever」 優美なピアノとストリングスが重なり合う、悲劇的でありながらもどこか救いを感じさせる一曲です。ロバートの切実なボーカルが、約束と時間の残酷さを歌い上げます。
- 「A Fragile Thing」 アルバムの中では比較的テンポ感があり、かつてのヒット曲を思わせるベースラインが印象的です。愛の脆さと複雑さを描いた、メロディアスなダーク・ポップです。
- 「Warsong」 不協和音を孕んだオルガンと歪んだギターが、内なる葛藤や争いを表現しています。重苦しい空気感が癖になる、本作の中でも特に力強い一曲です。
- 「All I Ever Am」 失われた時間と自己のアイデンティティを問う、内省的なミドルテンポの楽曲です。躍動感のあるリズム隊と、幾層にも重なるギターのレイヤーが、ロバート・スミスの苦悩に満ちた内面を鮮やかに映し出しています。
アルバム総評
『Songs Of A Lost World』は、単なるベテラン・バンドのカムバック作ではありません。これは、ロバート・スミスが「老い」や「死」という普遍的なテーマに対して、一切の妥協なく向き合った芸術作品です。一聴すると暗く重い印象を受けますが、その根底には深い慈しみと、音楽に対する純粋な情熱が流れています。16年待った価値が十分にある、ロック史に残るべき内省的な傑作と言えるでしょう。



