Gorillaz『G Sides』
2001年に世界を震撼させたGorillazのデビューアルバム『Gorillaz』。その直後に発表された『G Sides』は、シングル曲のカップリングや未発表音源、リミックスをコンパイルした、いわゆるB面集です。しかし、そこにあるのは「おまけ」としての価値だけではありません。デーモン・アルバーンが持つ多面的な音楽センスと、キャラクターたちが織りなす独特のヴィジュアル世界が見事に同期した、初期Gorillazの空気感を補完する重要なピースとなっています。
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ジャンルと音楽性
本作の魅力は、一言では言い表せないジャンルの越境性にあります。基本的にはオルタナティブ・ヒップホップやトリップ・ホップの要素をベースにしつつも、重厚なダブの重低音、ローファイなガレージロック、そしてどこか哀愁漂うアコースティックな響きが混在しています。本編アルバムよりもさらに実験的で自由度が高く、計算されたポップさと、意図的に残された「ザラつき」のある音像が、Gorillazというプロジェクトの奥深さを物語っています。
おすすめのトラック
- 「19-2000 (Soulchild Remix)」 原曲のどこかトボけた雰囲気を、鮮烈なディスコ・ポップへと塗り替えた傑作リミックスです。よりエレクトロでダンサブルなビートが強調されており、当時のダンスフロアを席巻した、本作を象徴するキラーチューンとなっています。
- 「Ghost Train」 Gorillazとして初めて録音されたと言われる歴史的な楽曲です。ダークで不気味なベースラインと、機械的なリズム、そしてデーモンの気だるいボーカルが重なり、グループのコンセプトである「ホラーでパンクなカートゥーン」を完璧に体現しています。
- 「The Sounder」 地を這うような重いヒップホップ・ビートと、アラビア風の旋律が印象的なトラックです。力強いラップがフィーチャーされており、Gorillazがいかに本気でストリート・ミュージックを再構築しようとしていたかが伝わります。
- 「Faust」 日本語のナレーションがサンプリングされた、非常にドリーミーで浮遊感のあるインストゥルメンタルに近い楽曲です。実験的でありながらも、聴き終えた後には心の奥に静かな余韻を残す、Gorillazの情緒的な側面がよく表れています。
- 「Left Hand Suzuki Method」 ヴァイオリンのレッスン音源を大胆にサンプリングし、そこにダブの重厚なビートを乗せた奇作です。ヌードル(Noodle)のルーツを感じさせる遊び心に溢れており、彼らの自由な創作姿勢が最も端的に現れています。
アルバム総評
『G Sides』は、単なる資料的な価値を超え、一つの独立した作品として極めて高い完成度を誇っています。デビュー作で見せたポップな表の顔とは対照的な、暗がりで実験を繰り返すマッド・サイエンティストのような独創性がここにはあります。完璧に整えられたヒットチャート向けの音楽に飽きた耳に、この不均一で予測不能なサウンドは驚くほど新鮮に響くはずです。Gorillazという伝説がどのように形作られていったのかを知るために、避けては通れない必聴の一枚です。



