1985年にリリースされたShriekbackの『Oil and Gold』は、ポストパンクからニューウェーブ、さらにはアートロックやファンクの要素までも飲み込んだ、ジャンルの境界を超えた革新的なアルバムです。前作までのミニマルかつ実験的な路線から一転し、本作ではよりダイナミックで壮大なサウンドに進化。加えて、Dave Allen(元Gang of Four)、Barry Andrews(元XTC)、そしてこの作品をもって在籍したMartyn Barkerのドラムスが加わったことで、バンドはより生々しくグルーヴィな音楽性を獲得しています。
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ジャンルと音楽性
『Oil and Gold』は一言で言えば「ダークでリズミカルな神話世界」。ポストパンクを基盤にしながらも、エスニック・パーカッションやアトモスフェリックなキーボード、そして深く語りかけるようなボーカルが混ざり合い、サウンドはときに神秘的で、ときにプリミティブな衝動に満ちています。インダストリアルやゴシックにも近い雰囲気がありながら、それらよりも身体的で「踊れる」感覚があるのがShriekbackらしさです。
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おすすめのトラック
- 「Nemesis」
本作を象徴する代表曲。不穏なベースラインに乗せて、破壊と混沌の世界を描くリリックが展開。ダンスビートとアートロックの融合が見事で、Shriekbackの美学が凝縮された一曲です。 - 「Malaria」
中毒性のあるリズムと呪術的なコーラスが印象的。まるで熱帯のジャングルに迷い込んだかのようなサイケデリックな世界観が広がります。 - 「This Big Hush」
静かに始まりながら徐々に感情が渦巻くように展開する美しいバラード。内省的でメランコリックなメロディが胸に残ります。映画『マイ・プライベート・アイダホ』にも使用された名曲。 - 「Everything That Rises Must Converge」
タイトルはフラナリー・オコナーの小説から引用されており、文学的な深みを感じさせます。スリリングな展開と知的な雰囲気が魅力。
総評
『Oil and Gold』は、Shriekbackというバンドがその才能と独創性を最大限に発揮した作品であり、彼らのキャリアにおける金字塔です。単なるポストパンクでは収まらない、知性と野生性がせめぎ合う異色の傑作。その音楽は今聴いても斬新で、リスナーを異世界へと引き込むような没入感に満ちています。
Shriekbackが生み出したこの漆黒のサウンドスケープは、1980年代のアンダーグラウンドにおける最重要作品のひとつとして、今なお多くの音楽ファンに愛され続けています。