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エイウォルネイションが『The Phantom Five』で描き出すのは、希望と絶望の狭間を彷徨う“ファントムたち”の物語。エレクトロとロックが融合した緊張感あふれるトラック群は、リスナーをどこまでも高揚させる

alternative Rock/Alternative
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異端と情熱の電撃融合。AWOLNATIONが2024年にリリースした『The Phantom Five』は、バンドのアイデンティティとも言えるエレクトロ・ロックの核を保ちつつ、よりシネマティックでダークな世界観に深化した最新作だ。ポストパンキッシュなエネルギーとダンスビートの高揚感がせめぎ合うこの作品は、まさに幻影のように姿を変えながら聴き手を翻弄し、魅了する。

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Amazon.co.jp: The Phantom Five : エイウォルネイション: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性

『The Phantom Five』のジャンルは、AWOLNATIONらしいオルタナティヴ・ロックを基調としつつも、エレクトロニカ、ポストパンク・リバイバル、ダーク・ポップ、さらには映画音楽的なスケール感すら感じさせる壮大なサウンドが融合されている。フロントマンのアーロン・ブルーノが描く歌詞世界も、内省と皮肉、そしてSF的想像力が絡み合うことで、単なるロックアルバムではなく、物語性を帯びた「サウンドトリップ」に昇華している。

おすすめのトラック

  • 「Jump Sit Stand March (feat. Emily Armstrong)」
    爆発的なエネルギーと鋭いリズムが交錯する、アジテーションに満ちたオルタナティブ・アンセム。Emily Armstrong(Dead Sara)の鋭く力強いボーカルが、Aaron Brunoのエッジの効いたサウンドと絡み合い、抗いがたい緊張感を生み出している。
  • 「Party People」
    皮肉と狂騒が入り混じるエレクトロ・ロックの怪作。派手なビートと不穏なムードが共存し、タイトルの陽気さとは裏腹に、どこか暴走気味な狂騒感が漂う。退屈な日常からの逃避とその先の虚無を描いたような、踊れるけど心がザラつく一曲。
  • 「Bang Your Head」
    内面の葛藤を爆発的なエネルギーでぶちまけるロック・アンセム。重厚なギターリフと挑発的なボーカルがぶつかり合い、まさに頭を振りたくなるような衝動を誘う。怒りと希望が交錯するリリックも印象的で、自己解放の瞬間を音で描ききった一曲。
  • 「When I Was Young」
    柔らかなエレクトロニックサウンドとエモーショナルなボーカルが、過ぎ去った日々への想いを静かに紡ぎ出す。過去を振り返りながらも前を向くような、切なくも温かな余韻が残る1曲。バンドの新たな一面を感じさせる繊細な名曲。

アルバム総評

AWOLNATIONの『The Phantom Five』は、これまでのエネルギッシュで実験的な姿勢をさらに洗練させ、新たなフェーズへと踏み込んだ意欲作だ。ジャンルの壁を越えた音作りと、コンセプチュアルな世界観が見事に調和し、アルバム全体が一つの映画のように流れていく感覚をもたらす。リスナーを挑発しながらも包み込むこの作品は、2020年代のオルタナティヴ・ロックの進化系として、間違いなく記憶に残るだろう。

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