1992年にリリースされたザ・シャーラタンズのセカンドアルバム『Between 10th and 11th』は、マッドチェスター・ムーブメントを牽引した彼らが新たな方向性を模索した意欲作です。前作『Some Friendly』での成功に続き、このアルバムではよりダークで実験的なサウンドへと進化を遂げ、初期の浮遊感のあるポップなスタイルから一歩先へ踏み出しています。
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フラッドによる革新的なプロデュース
プロデュースを手掛けたのは、ヒップホップやダンスミュージックの要素を取り入れることに長けたフラッド(Flood)。彼の手腕によって、ギターバンドとしての骨太なグルーヴを維持しつつも、ドラムマシンやシンセサイザーを効果的に取り入れた独特のサウンドスケープが形成されています。アルバムタイトルは、ニューヨークの地名に由来しており、イギリスのバンドでありながらアメリカ文化への憧れや影響を感じさせる点も興味深いところです。
ジャンルとアルバム全体の特徴
本作のジャンルは、マッドチェスターやオルタナティブ・ロック、そしてシューゲイザーの要素を融合したものといえるでしょう。跳ねるようなベースライン、スペーシーなキーボード、そしてティム・バージェスの少し気怠げながらも感情的なボーカルが特徴的で、どの楽曲にも深い奥行きを感じます。
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おすすめのトラック
アルバムの中でも特に際立つ楽曲を以下に挙げます:
- “Weirdo”
アルバムのリードシングルであり、バンドの代表曲の一つ。疾走感のあるリズムとキャッチーなコーラスが印象的で、オルタナティブ・ロックのエッセンスが詰まった一曲です。 - “Tremelo Song”
ファンキーなベースラインと揺れるようなギターの響きが魅力的な楽曲。バンドのダンサブルな側面を感じられる一曲です。 - “Chewing Gum Weekend”
ミニマルなリズムセクションとサイケデリックな雰囲気が融合したトラックで、アルバム全体の実験的なトーンを象徴しています。
再評価されるべき名盤
全体を通して、『Between 10th and 11th』は、The Charlatansがシンプルなポップソングの枠を超え、サウンドの幅を広げた挑戦的な作品といえます。その革新的なアプローチはリリース当時、賛否を呼びましたが、現在ではマッドチェスター・ムーブメント後期の名盤として再評価されています。