デンマークが誇るサイコビリー界の重鎮、Nekromantix(ネクロマンティクス)。彼らが1991年に発表したセカンドアルバム『Curse of the Coffin』は、シーンの歴史にその名を刻む不朽の名盤です。棺桶型のコントラバス(コフィン・ベース)を操るフロントマン、キム・ネクロマンを中心に、ホラー、B級映画、そして疾走感あふれるロックンロールを融合させた独自の世界観が、この一枚に凝縮されています。
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Amazon.co.jp: Curse of the coffin : Nekromantix: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
本作のジャンルは「サイコビリー」ですが、その中でも特に「オールドスクール」な魅力と、パンキッシュな攻撃性が絶妙なバランスで共存しています。歪んだギターリフ、地を這うようなスラップベースの音色、そしてどこか哀愁漂うメロディ。ホラー映画をテーマにした歌詞世界は、単なる恐怖ではなく、エンターテインメントとしての楽しさに満ちており、聴く者をダークな舞踏会へと誘います。
おすすめのトラック
- 「Curse of the Coffin」 アルバムのタイトル曲。地を這うようなベースラインと不気味なイントロから始まり、一気に疾走する展開は圧巻です。これぞサイコビリーという様式美が詰まっています。
- 「Motorpsycho」 エンジン音のような激しいリズムが特徴的な、暴走感溢れるナンバー。攻撃的なギターとバチバチと鳴り響くスラップベースが、聴く者のアドレナリンを加速させます。
- 「New Born Son of Satan」 不穏なタイトル通り、邪悪なエネルギーに満ちた一曲。ダークな雰囲気を纏いながらも、パンク的なスピード感で一気に聴かせる構成は、彼らの真骨頂と言えるでしょう。
- 「Devil Smile」 ロカビリー特有の軽快なリズムに、ネクロマンティクスらしい毒々しさを加えた楽曲。思わず踊りだしたくなるようなスウィング感があります。
- 「Alice in Psycholand」 「不思議の国のアリス」をモチーフにした、彼ららしいパロディ精神溢れる一曲。独創的なストーリーテリングと、変化に富んだ楽曲構成が楽しめます。
アルバム総評
『Curse of the Coffin』は、サイコビリーが単なるロカビリーの派生ではなく、一つの完成されたアートフォームであることを証明した作品です。録音の荒々しさが、かえって彼らの持つ怪奇的なエネルギーを引き立てており、30年以上経った今でも全く色褪せることがありません。ジャンルの初心者から熱狂的なファンまで、全ロックファンが一度は通るべき「呪われた名盤」と言えるでしょう。


