The Killers『Hot Fuss』
2004年、ロック・シーンに激震が走りました。米ラスベガス出身の4人組、ザ・キラーズが放ったデビュー・アルバム『Hot Fuss』は、新人らしからぬ完成度と圧倒的なカリスマ性で、瞬く間に英米の両チャートを席巻しました。イギリスのポスト・パンクやニュー・ウェイヴからの影響を色濃く反映しながらも、アメリカらしいダイナミックなスタジアム・ロックのスケール感を併せ持った本作は、2000年代のインディー・ロック・ブームを象徴する一枚として、今なお多くのアーティストに影響を与え続けています。
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ジャンルと音楽性
本作のジャンルは、ポスト・パンク・リバイバル、ダンス・パンク、そしてインディー・ロックに分類されます。最大の特徴は、80年代のシンセ・ポップを彷彿とさせる煌びやかなキーボードの音色と、荒々しくもメロディアスなギター・サウンドの融合です。ブランドン・フラワーズの、どこか演劇的でエモーショナルなボーカルが、煌びやかなパーティーの裏側にある「嫉妬」や「孤独」、「焦燥感」をドラマチックに描き出しています。
おすすめのトラック
- 「Mr. Brightside」 今や21世紀を代表するアンセムとなった一曲。嫉妬に狂う心境を、疾走感溢れるギター・リフとキャッチーなメロディに乗せて歌い上げる、切なさと高揚感が同居した名曲です。
- 「Somebody Told Me」 シンセサイザーとエッジの効いたベースラインが絡み合う、ダンス・フロア直系のロック・ナンバー。一度聴いたら忘れられない中毒性のあるサビが、バンドのグラマラスな魅力を象徴しています。
- 「All These Things That I’ve Done」 壮大なゴスペル風のコーラスを導入した、アルバム中最もエピックな一曲。「俺は苦労してきたが、まだ使い物になる」と繰り返されるフレーズは、聴く者の魂を揺さぶる力強さに満ちています。
- 「Smile Like You Mean It」 過ぎ去った日々への郷愁を誘う、ニュー・ウェイヴ色の強いミドル・テンポの楽曲。きらめくシンセの音色と、ブランドンの憂いを帯びた歌声が、美しい孤独感を演出しています。
- 「Jenny Was a Friend of Mine」 アルバムの冒頭を飾る、重厚なベース・ラインが印象的なダークなナンバー。殺人事件の尋問をテーマにした物語性の高い歌詞が、バンドの持つミステリアスな側面を際立たせています。
アルバム総評
『Hot Fuss』は、単なる懐古趣味なリバイバル作品ではありません。80年代のニュー・ウェイヴが持っていたスタイリッシュな哀愁を、2000年代のロックが持つ爆発的なエネルギーで再定義した、極めてモダンな芸術品です。アルバム全編を通して、ラスベガスの夜景のような「光と影」が同居しており、そのドラマチックな世界観は発表から20年以上が経過した今でも全く色褪せることがありません。ロックの歴史を語る上で欠かすことのできない、まさに「完璧なデビュー作」と呼ぶに相応しい傑作です。



